ライオン、「おさがりプロジェクト」で服を再利用

ライオンは8月24日から、着なくなった衣服をきれいに洗濯し次に着る人へつないでいく「おさがりプロジェクト」を始めた。第一弾として26日までの3日間、全国7都市の催事場などで市民に衣服の提供を呼びかけ、NPO法人「日本救援衣料センター」を通じて必要な人へ寄付する。洗剤メーカーの独自技術を生かして徹底洗浄することで、糸や布に分解することなく衣服をそのままの形で再使用(リユース)する手法を普及していく狙い。(オルタナ編集部=堀理雄)

3日間で受け付けた衣服は、ライオン社製「トップ スーパーNANOX」などの洗剤を使い「クリーニング専科」の協力で徹底洗浄する。クリーニング専科は関東地域を中心にクリーニング事業を展開しており、店頭で回収した古着を洗浄し店内で販売する「オサガリ専科」というサービスを提供している。衣服を大事に扱い「オサガリ文化」の継承を願うという点で、今回のプロジェクトと考え方が合致し協働することになった。

ライオン広報担当者は「洗剤メーカーとしては、衣服をきれいに洗いそのままの形で次の人に着てもらう活動を大事にしたい。衣服を大切に着続けていくつながりの場となれば」と話す。ファストファッションなど低価格の服が増え、気軽に服を使い捨てることも珍しくないなかで、服を「洗う」ことを通じて人から人へつなぎ、長く使い続ける習慣を見直していこうという取り組みだ。

今回衣服はNPO法人「日本救援衣料センター」を通じ海外などへ寄付として届けられる。しかし今後のプロジェクト第2弾以降では、例えば衣服の提供者と受け取る人とが出会う場を提供するなど、届ける先の相手を見つけるきっかけづくりなども予定しているという。

衣服は8月24日から26日にかけて、以下の会場に設置された「おさがりBOX」で集める。STV広場(札幌)、仙台市役所前市民広場(仙台)、超☆汐留パラダイス!(東京)、CTV新社屋横ささしまライブ(名古屋)、ツイン21(大阪)、イオンモール広島府中(広島)、JR博多駅イベントスペース(福岡)。日時は各会場によって異なる。

© 株式会社博展