長年親しみ「寂しい」 FFG・十八銀統合の余波

 県民からは、長年親しんできた銀行が合併で形を変えることに対して、残念がる声が相次いだ。長崎市興善町の自営業、猪股五十代さん(61)は「銀行の統合が全国で進んでいるので仕方ないが、寂しい」と話した。
 合併で店舗の統廃合も進む。同市伊良林1丁目の会社員、西田文子さん(42)は「家の近くの支店がなくなったり、何か新たに手続きが必要になったりすると困る」と訴えた。合併により生まれる新銀行の行方を気にする声も。佐世保市原分町の男性(74)は「本店機能は人口が多い長崎市が持つと思う。そうなれば銀行の本店が佐世保からなくなるので寂しい」。
 「長崎に強固な体力を持った銀行が誕生するのは頼もしい」。十八銀、親和銀のいずれとも取引がある浜屋百貨店(長崎市)の栗山次郎社長は統合を歓迎。協和機電工業(同市)の坂井俊之会長も「企業のコンサルティングや事業支援など、経営者が地銀に求める役割は多岐にわたる。大きなグループとしての情報やノウハウを活用し、企業をサポートしてほしい」と期待を込めた。
 一方、不安の声も上がった。十八銀、親和銀のいずれとも取引がある平戸市の水産加工業の経営者は「合併で金融機関の選択肢がなくなれば、競争原理が働きにくくなり、サービスの質が低下するのでは」と懸念。会社の設立当初から十八銀と取引を続ける長崎市の医療・福祉業の社長も「これまで経営が苦しいときも、常にサポートしてくれた。統合で従来の地域密着型の姿勢が失われないかが心配」と話した。

FFGとの経営統合が承認された24日、十八銀行本店窓口では多くの利用者が見られた=長崎市銅座町

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