マカオでパン!【5】罪深き甘い誘惑「マカオ式フレンチトースト」

(C)Ai Kaneko

西洋と東洋の文化が交差する、ミックスカルチャーの街マカオ。この地でフレンチトーストというと、いわゆる”香港式”を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし今回、マカオ式新定番と呼ぶにふさわしい進化系フレンチトーストを発見! 地元っ子に聞き込みを行い、絶品マカオパンを追い求めるこのシリーズ。第5弾は「馬慶康(Loja de cafe Nam Tin)」をご紹介します。

そもそも、香港式フレンチトーストって?

(C)Ai Kaneko

海を挟んでお隣同士の香港とマカオには、多くの共通点が見受けられます。例えば、香港の食文化を代表する”茶餐廳(チャーチャーンテーン)”と呼ばれる広東式カフェレストランの存在。喫茶店と定食屋を合わせた昔ながらのカフェを指しますが、ここマカオにも多く立ち並びます。

一般的にマカオで親しまれる伝統的なフレンチトーストというと、いわゆる”香港式”と呼ばれるタイプが主流。揚げた食パンには、ピーナッツバターやあずきが入っています。バターをのせ、その上からメイプルシロップをかけて頂くというもの。

マカオの行列ができる茶餐廳「馬慶康」

(C)Ai Kaneko

地元マカオっ子だけでなく、香港人の間でも有名なカフェ「馬慶康」。その理由はリーズナブルな価格と、何を食べても旨いと評判の絶品メニュー。客足は常に途絶えることがなく、ランチタイムに至っては店の外まで長い行列ができるほど。

これぞマカオ式!進化系フレンチトースト

(C)Ai Kaneko

そんな人気店が誇る、ご自慢のスイーツがこちらの「阿華田西多士」。「阿華田」はオバルチン、「西多士」はフレンチトーストという意味。オバルチンは、ココア風味の粉末麦芽飲料のことで、マカオでは朝食時によく飲まれる健康ドリンクです。日本で言うところのMILO(ミロ)のようなものですね。揚げた食パンにこのココアパウダーをたっぷりふりかけ、その上に巨大なバターのかたまりをトッピング。すると食パンの温度でバターが溶け出し、つやつやとしたオイル状になっていきます。

(C)Ai Kaneko

(C)Ai Kaneko

ナイフを入れると、中から出てきたのは・・・なんとチーズ! カリっとした外側と、内側のもっちり食感が絶妙です。”オバルチン” x ”バター” x ”チーズ”の相性も抜群、この際「ダイエットは明日から」と割り切る勇気が必要でしょう。が、その価値ありです!

古来より多彩な食文化を取り入れ、独自の料理を生み出してきたマカオ。伝統的な香港スタイルをベースにしつつ進化を遂げた「阿華田西多士」は、マカオの新定番フレンチトーストと言えるでしょう。あなたもぜひ、この甘い誘惑に身を委ねてみてはいかがでしょう?

「馬慶康」

住所:澳門新橋俾利喇街65號A

Tel:2859-0161

Web:http://mahinkon.tenfoldifood.com/

知られざるマカオの絶品パンを探し出す「マカオでパン!」特集。『マカオでパン!【1】愛すべきマカオ名物「エッグタルト」をあの名店で』〜『マカオでパン!【4】~「ポークチョップバーガー」は、カフェで頂くが正解~』も要チェックですよ。

[Photos by shutterstock.com]

© 株式会社オンエア