W杯16強「内容も評価」 日本サッカー協会・田嶋会長インタビュー

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インタビューに答える日本サッカー協会の田嶋幸三会長=熊本市の熊本ホテルキャッスル

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)=苓北町出身=が24日、熊本市で熊本日日新聞社のインタビューに答え、6~7月に開かれたワールドカップ(W杯)ロシア大会での日本の決勝トーナメント進出を改めてたたえた。また、熊本の子どもたちが将来の五輪などで活躍するよう期待を寄せた。(聞き手・山下友吾)

 -W杯での日本代表の結果をどう評価しますか。

 「1次リーグ3試合は決勝トーナメントに進むことを一番に考えた。結果的にアジアでは1カ国しか上がれなかったし、内容的にも評価している」

 -大会2カ月前に監督をハリルホジッチ氏から西野朗氏に交代しました。

 「考えられないタイミングだったと思う。多くの友人からさまざまな提案を受けたが、最終的には自分の決断。1%でも結果が良くなる可能性があるならとだけ考えた。ハリルさんの功績は認めるが、交代の選択は間違っていなかった」

 -代表監督に求めるものは何ですか。

 「勝たせるのが一番だ。日本人じゃなくてもいいが、日本の素晴らしさをリスペクト(尊敬)するのが大事。西野さんの手腕は柔軟で素晴らしかった。(終盤にボール回しを続けた)ポーランド戦での賭けは想像以上だった」

 「大会前に選手たちとも話し合った。その意見は監督交代と関係ないが、選手たちが危機感を一番持っていた。まず、勝つことが日本サッカーの底上げになると考えた」

 -宇土市出身の植田直通選手も代表入りしましたが、出場はありませんでした。

 「(最後の強化試合の)パラグアイ戦でのプレーは世界基準だった。今、あえてベルギーで自分を試そうというのはW杯に出られなかった悔しさや、世界をもっと見たい気持ちの表れだろう。高い志を持った選手がいるのがうれしい」

 「大津高などからも多くのJリーガーが育っている。そのベースは小中学校で丁寧に指導しているから。クラブチームは増えているが、地域によっては受け入れに限界がある。子どもの成績や生活態度を知っている先生たちは全人的な教育ができる。学校体育や部活動の役割は大きい」

 -スポーツが社会にもたらすものとは。

 「スポーツを文化として根付かせたい。熊本城の周りをジョギングしたり、60~70代でもボールを蹴ったり。平昌[ピョンチャン]冬季五輪、サッカーW杯から来年はラグビーW杯、そして2年後に東京五輪。スポーツ界は覚悟を持って取り組み、これからの大切な2年間を失ってはいけない。スポーツは人々の活力になる」

 -熊本の子どもたちに一言お願いします。

 「来年は熊本でハンドボールとラグビーの世界大会がある。そこで世界を肌で感じてほしい。自分も小学2年生の時に前回の東京五輪を見て、サッカーをしようと思った。今回のW杯の中心は2002年日韓大会を見た選手たちだった。世界大会の本当の成果は10年、20年後に、熊本から代表選手が出ることだろうと思う」

◇たしま・こうぞう 1957年苓北町生まれ。79~80年サッカー日本代表選手。2013年日本オリンピック委員会常務理事、15年国際サッカー連盟(FIFA)理事、16年から日本サッカー協会会長を務める。現在インドネシアで開かれているアジア大会の日本選手団副団長。

(2018年8月25日付 熊本日日新聞朝刊掲載)