法務省モデル事業 長崎県独自の薬物再犯防止策 探る

 長崎県は本年度から、法務省のモデル事業で、薬物犯罪の再犯防止に向けた事業に取り組む。罪を犯した障害者・高齢者らの更生支援を実施する県地域生活定着支援センター(諫早市)などと連携し、長崎県独自の再犯防止策を探る。
 法務省の「地域再犯防止推進モデル事業」(2018~20年度)。県が4月に応募し6月に採択された。委託費は3カ年で計約2400万円。全国で30自治体が採択された。
 県は▽罪を犯した高齢者や障害者の捜査・公判段階の支援▽刑務所出所後の居住先確保-などのモデル事業を予定。中でも、注目されるのが薬物犯罪の再犯防止に向けた活動だ。
 薬物犯罪は再犯率の高さが課題。このため、同センターなど関係機関が連携しながら薬物犯罪をした人に捜査・公判段階から関与。対象者が刑務所を出所したりした後、生活・就労支援や治療プログラムを組み合わせ、立ち直りや再犯防止につなげる活動などを想定している。
 県はモデル事業を踏まえ、再犯防止推進法に基づく県版の「再犯防止推進計画」を作る予定。

◎ズーム/再犯防止推進法

 2016年12月に成立。刑務所を出所した人の再犯防止を国と自治体の責務と規定し、仕事や住居がなく社会復帰が困難な人の支援を促す。国は17年12月「再犯防止推進計画」を策定。出所者の雇用促進や公営住宅入居への配慮などを盛り込んだ。都道府県や市町村も計画策定の努力義務がある。

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