備えあれば登山楽し 高齢者、余裕ある計画を

負傷者を背負って引き上げる救助訓練に臨む県警の山岳救助隊員と機動隊員ら=昨年7月、阿蘇市

 これから秋の登山シーズンを迎える。登山愛好者が増える中、遭難や転倒など不測の事態への備えが重要だ。熊本県内は熊本地震などの影響で通行できない登山道があり、県警は事前の確認や登山届(計画書)の提出、便利なスマートフォンアプリの活用を勧めている。

 県警地域課によると、2017年までの5年間に県内で発生した山岳遭難事故は計67件(計99人)。原因別では「道迷い」が最多の58人で、次いで「転落滑落」22人、「転倒」9人の順。死者は計12人に上り、うち8人は転落滑落によるものだった。今年は7月末までに死者は出ていないが、前年同期より3件多い7件(15人)発生している。

 特に目立つのが高齢者の遭難だ。5年間の遭難者99人のうち52人が65歳以上だった。同課は「若いころの感覚で登り、体力を消耗して遭難するケースが少なくない。高齢者は体力に見合ったペースで計画を立て、余裕を持って登ってほしい」と注意を呼び掛ける。

 万一、遭難した場合、いち早い捜索につながる“命綱”が登山届だ。県警は入山前に警察署や県警本部へ、氏名や連絡先、日程、ルートなどを記した登山届の提出を呼び掛ける。登山口の登山届ボックスのほか、県警ホームページからスマホでも提出できる。

 道に迷った場合は、スマホのGPS(衛星測位システム)機能も役立つ。アプリ「グーグルマップ」で現在地が分かるほか、地図上の現在地を長押しすれば画面に緯度と経度が表示され、110番通報時に正確な位置を伝えることもできる。

 また、歩いてきたルートの記録や、天気がピンポイントで分かる機能を持った登山用アプリもある。「安全な登山のためにアプリの活用は効果的。電波の届きにくい山中では、携帯電話が電力を消費しやすいので、充電器も準備しておくと安心」と同課。

 熊本地震や集中豪雨などの影響で、阿蘇五岳や山都町の九州脊梁[せきりょう]では、通行止めになっている登山ルートもある。県阿蘇地域振興局によると、根子岳や高岳など阿蘇五岳の7ルートが斜面崩落などで通行できないという。

 登山ルートが通行できるかどうかは、県や各自治体のホームページで確認できる。県警と同局は「通行止めのルートはとても危険。絶対に通らないでほしい」と警鐘を鳴らす。(前田晃志)

(2018年8月26日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

©株式会社熊本日日新聞社

紙面を彩った火の国球児たち

「夏の甲子園100回」を記念し、熊本出身のスターたちの〝球児〟時代を取り上げます。 第3弾は「打撃の神様」と呼ばれた川上哲治(熊本工出、人吉市出身)です。

ご購入はこちらから