地域の温かい声かけ重要 児童虐待テーマにフォーラム

 児童虐待を考える「子どもの権利フォーラム」が26日、県庁であり、長崎こども・女性・障害者支援センターの柿田多佳子所長らが子どもを救うため地域でできることや、児童相談所との情報共有のあり方について見解を説明した。
 長崎市を拠点にした市民団体「子どもの権利条約ながさきネット」が開き、約40人が集まった。
 柿田所長は、親から虐待を受け里親のもとで過ごしたある人が「いつ死んでも良いと思いながら死ねなかった」理由に、学校行事の楽しさ、友達の母親が出してくれた料理など「小さな喜び」を挙げたエピソードを紹介。地域住民が子どもに温かい言葉を掛け、その子の存在を受け入れることの重要性を説いた。
 一方、児相の業務について関係機関との情報共有と個人情報保護との「せめぎ合いがあり、両立が大事」と説明。各市町に設置され、関係機関が対応を検討する「要保護児童対策地域協議会」が「守秘義務もあり、児相として地域の方と情報共有を図る場合は最も安全」との認識を示した。
 県警少年課の松本健課長補佐は「虐待の疑いがあると思った場合は積極的に(児相や市町などに)通告を。警察は24時間対応しているので通報してほしい」と強調。警察では子どもにあざがないか、痩せすぎてないか、自宅にごみが散乱していないかなどの視点で虐待の有無を調べている点も説明した。

児童虐待の対応について説明する柿田所長(中央)ら=県庁

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