被爆体験 世界で証言 ピースボート参加者帰国

 非政府組織(NGO)ピースボート主催の「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」に参加し、世界各地で被爆体験を証言してきた長崎市小瀬戸町の被爆者、倉守照美さん(74)らが24日、長崎市役所に田上富久市長を訪ね、帰国を報告した。
 5月に横浜港を出港。15カ国18都市で倉守さんら被爆者2人と被爆2世1人が被爆体験や核兵器禁止条約の早期発効を訴え、8月21日に帰港した。
 田上市長は「聞いた人の中で、どのように膨らんでいくかは分からないので、とにかく種をまかなければ。外に出ることは大事ですね」とねぎらった。
 倉守さんは取材に対し「原爆の悲惨さを伝え、同じ目に遭わせたくないと訴えてきた」とし「愛する人が亡くなった悲しみや、その後も続く放射能の影響、女性が子どもを産むのに抱える不安は、どの国の人も共通の感情として理解してくれたようだった」と手応えを話した。

世界各地で被爆体験を証言し、田上市長に帰国報告する倉守さん(中央)=長崎市役所

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