鉄スクラップ電炉購入価格、関東で年初来高値更新 先高観根強い、4年8カ月ぶり高値

 関東地区で電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格が500円続伸し、24日時点でメーカー実勢購入価格(H2)は3万7千~8千円と今年3月下旬に付けた年初来高値(3万7500円)を更新した。東京製鉄宇都宮工場が24日から買値を500円引き上げ、その他メーカーも500~1千円の値上げに動いた。足元のメーカー買値は2013年12月以来4年8カ月ぶりの高値水準となっている。市中発生が低調な中、24日からは関東鉄源協同組合による1万トンの船積みも始まった。地区需給は一段とタイト化するとの見方から先高観が根強い。

 市中発生が少なく、メーカー各社のスクラップ在庫は低水準にとどまっていた。24日からの東鉄宇都宮の買値引き上げに対しては「予想より早かったが、500円と小幅な上げでは状況が変わらない。小刻みな上げを続ける限り、上昇局面が長期化する」(ヤード業者)との声が聞かれた。

 一方、24日時点で湾岸価格(H2)は3万6千円で横ばいだった。シッパーは採算悪化から買値引き上げを遅らせているもよう。ただ、ずれ込んでいた関東鉄源協同組合による1万トンの船積みが24日午前から開始。集荷競争が強まることで、湾岸価格もジリ高が見込まれる。

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