「猫島」来ニャンたい 上天草市・湯島、観光客の受け入れ進む

©株式会社熊本日日新聞社

猫島ツアーで湯島を訪れ、猫と遊ぶ観光客ら=5月、上天草市大矢野町(小野宏明)
4月に仮オープンした休憩所で、カフェ開業に向けて意見を交わす熊本大の学生と湯島の住民
渡邉新一さんと妻のりみこさんが開業した農家レストラン「はまゆう」

「猫島」として注目を集める上天草市大矢野町の離島・湯島で、観光客の受け入れ態勢を充実させる動きが出ている。農家レストランや休憩所がオープンしたほか、島内観光の利便性を高めようと貸自転車が試験導入。秋の旅行シーズンを控え、来島者の満足度向上が期待されている。

 湯島へは、大矢野島から約70人乗りの定期船が1日5往復運航。猫目当ての観光客が増えており、大型連休やお盆は増便して対応したという。ただ、観光客向けの施設は少なく、移動は徒歩に限られるため、「歩き疲れても休憩できる場所が少ない」という声が上がっていた。

 湯島にUターン就農した渡邉新一さん(58)、りみこさん(57)夫妻は、農家レストラン「はまゆう」を7月にオープン。高台から漁港を見渡せる抜群のロケーションが自慢だ。

 熊本地震で被災した熊本市東区の自宅マンションの取り壊しが決まったのを機に、2016年4月帰郷。特産の湯島大根をはじめ、スイカやジャガイモ、トマトなどの栽培を始めた。「飲食店が少ない」という観光客の声が、りみこさんの夢だったレストラン開業を後押し。「複雑な路地を散策しながら訪ねてきてほしい」。営業は日曜のみ。

 湯島漁港近くの「湯島まったり休憩所」は熊本大大学院の学生が空き家を改装して今年4月に仮オープン。水回りの工事を進め、来年春にカフェを開業する計画で、地元の地域づくり団体と共同でクラウドファンディングで資金を集めている途中だ。「島の観光情報発信の拠点にしたい」と学生リーダーの中村謙さん(24)。

 貸自転車を導入したのは、天草2市1町の自治体や経済団体などでつくる天草地域雇用創出協議会。電動アシスト付き自転車2台を7月から、2時間500円(延長は30分ごとに100円)または1日1500円で貸し出している。

 島の史跡や名所を案内する「湯遊[ゆうゆう]案内人」代表の渡邊和典さん(67)は「案内する島内ツアー客は昨年の約3倍に増えた。高齢者を中心に、食事や休憩の要望は多い。ゆったり過ごせる場所が増えれば、もっと島の魅力を感じてもらえるはず」と話している。(大倉尚隆)

(2018年8月27日付 熊本日日新聞朝刊掲載)