16年の九州、農業産出額6年連続の増 農政局レポート

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 九州農政局は27日、管内の農業の動向や課題をまとめた「見たい! 知りたい! 九州農業」(九州農業レポート)を公表した。九州7県の2016年の農業産出額は1兆8204億円と6年連続で増加。輸出も好調に推移した。担い手は法人化が加速する一方で、農家の高齢化が進行。耕作放棄による荒廃農地の拡大など課題も浮き彫りになった。

 農業産出額は畜産と野菜がけん引。畜産は子牛価格の高騰で、肉牛価格が上昇し、野菜はトマトが需要の高まりで価格が上がった。全国トップ10に3県がランクイン。鹿児島が4736億円で全国3位。宮崎が5位で続き、熊本は6位の3475億円だった。

 産出額の部門構成比は、この50年で大きく変化した。畜産が25ポイント増の44%、野菜が17ポイント増の26%と大幅に増えた一方、コメは10%で32ポイント減少。コメを中心とした営農から価格の高い畜産や野菜にシフトしている状況がうかがえる。

 17年に九州の港などから輸出された農林水産物・食品の総額は、858億円と2年ぶりに過去最高を更新。ビールや調味料をはじめとする加工食品、中国向けなどが好調な木材、牛肉の伸びが目立った。

 15年の農業従事者の平均年齢は65・7歳となり、20年前に比べ7・8歳上昇した。販売農家数は半減し19万9300戸。一方、法人経営体は10年前から37%増え4843経営体となった。

 高齢化などに伴い、中山間地を中心に荒廃農地が増加。16年は7万3333ヘクタールで、この10年間で3割増えた。

 レポートは、昨年までの「九州食料・農業・農村情勢報告」(九州農業白書)を模様替え。注目のテーマを掘り下げる特集編を廃止し、各県のデータや先進事例の紹介を充実させた。27日から同局ホームページで公開している。(植山茂)