【女子W杯】4番が打った! 川端2安打1打点で侍ジャパン女子代表グループB1位通過

2安打でオーストラリア戦勝利に貢献した侍ジャパン女子代表・川端友紀【写真:Getty Images】

チームの「お母さん」バットでチームを鼓舞

 第8回WBSC 女子野球ワールドカップ(米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表は26日(日本時間27日)、オープニングラウンド第5戦でオーストラリアに5-1と快勝。グループBを5戦全勝の1位通過で28日からのスーパーラウンドに挑む。

 4番・川端友紀内野手(埼玉アストライア)のバットから今大会初タイムリーが生まれた。初回、三浦伊織外野手(京都フローラ)が先制二塁打を放った直後だ。フルカウントから外角のボールを逆らわずに左翼線に運んだ。チームを勢いづける適時二塁打。「やっとですね。初回からしっかり入ることができました」と微笑んだ。3回に四球を選ぶと、4回には2死から特大の右越え三塁打を放ち、2打数2安打1打点。バットでチームを鼓舞した。

 兄の慎吾はヤクルトの内野手。川端自身、女子プロ野球リーグで多くのタイトルを獲得し、ワールドカップには12年大会から4大会連続で出場している女子野球界のスター選手だ。橘田恵監督が「このチームのお母さん」と評するほど、若いチームの中で精神的支柱になっている。第3戦のカナダ戦、第4戦のキューバ戦と打線が立ち上がり不完全燃焼で苦戦を強いられたが、この日は実績十分の三浦と川端が初回に適時打を放ったことで、チームに落ち着きが生まれた。

若いチームの精神的支柱、ライバル米国黒星も表情緩まず

 第4戦までも8打数4安打1打点と調子は悪くなかった。それでも期待される場面で走者を返す1本が出ないことがもどしかしかった。「打ち損じたりして、仕留めきれていなかったので、動画を見直して、下半身をもっと安定させようと練習から意識しました。1球で仕留める気持ちでいきました」と振り返った。

 前回大会より平均年齢が2歳以上若返ったチームは、辛勝したカナダ戦とキューバ戦を経験して着実に成長している。「最初は点を取られるとヤバイ、ヤバイという感じでしたが、今日は2-1になっても落ち着いてプレーしていました。予選の最後でこういう試合運びができたことは次につながると思います」と川端はうなずいた。

 日本のチーム状態が上がってきたところで、思わぬニュースが飛び込んできた。ライバルの米国がこの日、グループAでチャイニーズ・タイペイに黒星を喫したのだ。出場全12チーム中、全勝は日本だけ。6連覇への道筋が見えてきたかに思えるが、ワールドカップを知り尽くした主砲の表情が緩むことはなかった。「私たちも足元をすくわれないようにしないと。野球は何があるかわかららないですから。本当に目の前に1球1球に集中していきます」と力を込めた。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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