答案用紙紛失受け 学校での採点 推奨 長崎県教委 県立高 持ち帰り428人

 県立高の教諭が生徒の中間テスト答案用紙を無断で自宅に持ち帰り紛失した問題を受け、県教委は27日までに、昨年度に全県立高の教員のうち、定期テストの答案用紙を自宅に持ち帰ったのは428人だったことを明らかにした。全員が持ち帰りに必要な校長の許可を得ていたとしているが、紛失や個人情報流出のリスクもあるため、できるだけ校内で採点するよう呼び掛けている。
 県教委によると、答案用紙を持ち帰った教員数を集計したのは初めて。子育て中のため自宅で採点したケースや、答案用紙を早く生徒に返して新しい単元に進みたい教員らが一定数いるとみている。
 一方、大村市内の県立高では5月、20代の女性教諭が校長の許可を得ずに生徒約80人分の答案用紙を持ち帰り、紛失した。女性教諭は「許可申請が必要と分かっていたが、方法を理解していなかった。許されるだろうという感覚もあった」などと話したという。
 県教委は女性教諭を戒告処分とした今月1日付で、持ち帰る場合の申請の徹底、確実な管理を呼び掛ける通知を県立高や21市町教委などに出している。それでも「教員にはテストから採点、成績入力の処理にゆとりを持って、学校内で採点に取り組んでもらいたい」としている。

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