米国旗、半日で再び半旗に 軍人会に屈したトランプ氏

By 太田清

トランプ米大統領(AP=共同)、ジョン・マケイン米上院議員(ロイター=共同)

 米共和党重鎮のジョン・マケイン上院議員(81)死去に際し、側近が準備した「英雄」とたたえる声明発表を拒否し、直後にゴルフに興じたトランプ大統領だが結局、27日午後、その功績を評価する声明を発表した。政権批判で知られたマケイン氏への反感から冷たい対応をとってきたものの、ベトナム戦争の「英雄」への敬意を示すよう求めた在郷軍人会などの圧力に抗しきれなかったものと受け止められている。米主要メディアが伝えた。 

 声明は「政策や政治についての見解の相違にかかわらず、私はマケイン上院議員によるわが国への奉仕に敬意を表する」としているが、「英雄」との表現は盛り込まれなかった。 

 一方、ホワイトハウスの米国旗だが、マケイン氏の死後、週末には追悼のための半旗となっていたが27日午前には早々と通常の状態に戻された。しかし、午後には再び半旗となった。マケイン氏の埋葬の日まで半旗を続けるとしている。 

 マケイン氏の追悼行事にはオバマ前大統領やブッシュ(子)元大統領が参列し、現政権からはペンス副大統領が出席予定。トランプ氏は遺族らの意向などから出席しない。 (共同通信=太田清)

© 一般社団法人共同通信社