司鋼商会・半田第一工場、棒鋼切断品の検査工程を一部自動化 大型設備導入、安定供給体制構築

 特殊鋼など各種素材の切断を手掛ける司鋼商会(本社・愛知県東海市、社長・澤津橋聖司氏)は基幹拠点、半田第一工場で量産する自動車向け棒鋼切断品の検査工程を一部自動化した。複数の切断ラインの製品を一括して検査、洗浄する大型設備を導入し、来月をめどに本稼働に移行する計画だ。機械化を通じて省力化を図るとともに、従来以上の安定供給体制構築を目指す。

 司鋼商会・半田第一工場は、自動車関連製品の数量増加に対応して16年秋から稼働。現在11ラインで月間約100万個の切断製品を生産するほか、一部製品の切削も行っている。

 これまで派遣社員が全品検査を要する製品の最終検品を担当していたが、7~8人の陣容でも能力が不足していた。人手不足で増員が難しい中、省人化と作業効率の向上を狙って、主要品番の検査工程を一部自動化することを決めた。

 導入したのは、グループ会社である佐久間特殊鋼のタイの設備会社「K DESIGN & SAKUMA」が設計製造した、4ラインで生産する自動車向け切断品を検査する大型設備。夏季休業期間に据え付けを完了し、試運転を経て9月から本稼働をスタートする。

 この設備はステンレス素材の切断品を洗浄、外観検査、重量検査、測長し、サイズに応じて最大28カ所に仕分けするもの。

 8ラインで量産する自動車部品メーカー向け切断品のうち4ライン、月間約30万個分の検査を同設備に切り替える。機械の保全、メンテナンスは協力会社「エムズファクトリー」が担当する方向で調整を進めている。

 澤津橋社長は「大型、複雑な設備で長期間の開発期間を要したが、導入を通じてこれまで以上のタイムリーな供給を実現し、サービス向上につなげたい」とコメントした。

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