【知られざる日本の優良企業】光ファイバー事業で圧倒的シェアを誇る、株式会社住田光学ガラスに突撃取材

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知名度はそこまで高くないけれど、ある分野でのシェアNo.1実績を持つ“知られざる日本の優良企業”に迫る本シリーズ第1回は、独自開発の光学ガラスを使用した光ファイバー事業で国内外から高い評価を得る日本唯一の企業『株式会社住田光学ガラス』です。

長年様々なガラス製品を作り続け、“まだ誰もやっていないこと”を軸にカメラレンズ等ををはじめ革新的なガラス製品を生み出した株式会社住田光学ガラス。現在では長年の培われてきたガラスづくりのノウハウをいかし、様々な用途の光ファイバーを原料から開発している日本で唯一の企業です。

その用途は多岐にわたり、現在は内視鏡などに使われる医療用光ファイバーが国内外から強く支持されています。

では、住田光学ガラスならではの製品づくりを光ファイバー事業にフォーカスし、パイオニアとしての独自性を紐解いていきました。後編も引き続き、株式会社住田光学ガラスの常務取締役・沢登成人さんと、素材開発部課長・髙久英明さんにお話を伺いながら製品を開発する現場に焦点を当て、採用や仕事のリアルを徹底解剖します!

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面白いことをしてくれる人と、新しいものを生み出したい

―― どんな志や夢・魅力を持つ人と働きたいと思いますか?

沢登 「経歴や性格などの適性よりも、面白いことをやれる人、仕事を心底面白いと感じられる人と働きたいですね。本人が面白いと思って仕事をしないといいものは生まれないと思うので」

面白いことをやれる人と働きたい――ブレないこの基準に、開発への前向きな姿勢とひたむきな情熱が感じられます。住田光学ガラスが独自の成長を遂げてきた理由が分かった気がします。

株式会社住田光学ガラスの歴史が一目で分かるショールーム

―― 求人サイト等には求人を出さないと聞きましたが、新卒採用はしていますか?

沢登 「求人サイトには出していないですが、新卒の採用予定はありますよ。住田光学ガラス株式会社の採用基準は“面白いことをやってくれそうか”。もちろん常識的な範囲内でお願いしたいのですが(笑)」

求人情報サイトになどには募集要項を出していないが、会社のウェブサイトには新卒採用の旨を記載してあるとのこと。求人情報サイト経由ではなく、興味のある人は直接連絡をというスタンスです。

髙久 「そのため、最近は会社のウェブサイトからメールや電話で直接連絡をくれる熱意のある志望者が増えています。やりたいことがあり、本当にやる気がある人だけが来てくれるので嬉しい限り。最近の学生は企業研究にも熱心で、この分野の開発が面白そうだから、自分はこんなことをやりたい」と入社後のヴィジョンを語ってくれる人も増えていますね」

最近は、生産の現場である福島の工場にもさらに人手が欲しいというのも本音だそう。やはり技術あっての住田光学ガラス、現場で開発に携わる技術者は必要不可欠な存在です。

「面白いことをやってくれそうな人」と働きたい、と熱く語る沢登さん

―― 採用フローはどのような流れで進むのでしょう?

沢登 「基本的に志望者は理系学部の院卒の人が多いですね。採用フローについては、メール等で来社のアポイントを取ってもらってから面接は2~3回です。最終面接は2時間ほど、社長と複数の志望者と共に雑談をしたりします。これから何をやりたいかなど、リラックスした雰囲気の中で話してもらうことも狙いですね。そこで志望者の面白さや仕事へのヴィジョンを見ることも。綿密な事前対策が必要となるような、難しい試験ではないですよ」

一緒に働きたい人は「これから面白いことをやってくれる人」。潔さを感じさせてくれるほどに、軸がブレていません。

若手も自由に研究・試作ができる自由度の高い開発環境

―― 新入社員や若手社員も、アイデアを出したり開発に対する意見を聞いてもらえたりするのでしょうか?

髙久 「現場では新人や若手に対しても個人の裁量が大きく、かなり自由な働き方ができます。時間の使い方も強制されず、社員は会社から指示されたやるべきことと、自分のやりたいことに対し自由にタイムスケジュールを組んで取り組むことができます」

現場の柔軟な働き方について、髙久さんが分かりやすく説明してくれました

会社から与えられた仕事をこなすだけでなく、新入社員や若手も自主的に自分の作りたいもの、やりたいことに自由に挑戦できる環境だそう。大手企業のように開発のため何度も稟議(りんぎ:文書で決済や承認を得ること)を通さなければならない場面も少なく、若手も自由に製品の試作に取り組める。これからを担う世代なのだから既にある会社の仕事だけでなく、これがやってみたい!と思ったら行動に移せる自主性も持ってほしいというのが現場や会社の願いでもあるそう。

緑も多く開放感あふれるリフレッシュルーム

営業職も理系院卒が多く、中途採用も珍しくない

―― 営業職も理系出身の方が多いのでしょうか?

髙久 「住田光学ガラスでは、技術職だけでなく営業職も理系院卒が多いですね。もちろん他の経歴を経てきた人もいます。中途採用で入ってきた社員も少なくありません」

理系院卒でもあり、半分営業で半分開発といった働き方をする社員もいるとのこと。そこからも、個人の裁量に任せられる部分が大きく、社員のやりたいことを尊重し業務の自由度の高い社風が垣間見えます。ちなみに、職種・性別での待遇差はないとのこと。キャリアに悩む理系女子も注目ですよ。

―― 売上の4割が海外ということもあり、営業職は海外へ行く機会も多いのですか?

髙久 「ドイツをはじめ、海外の顧客も多いため営業職は海外出張の機会も必然的に多くなりますね。いずれは、ドイツにも研究所を作ろうという案もあります。技術職も海外で活躍できる可能性があるかもしれません」

住田光学ガラスならではの仕事に惚れ込み、かつグローバルな仕事がしたい人にとっては最高の環境かもしれません。

社員は「正直、入社してからの方が勉強している」

―― 会社主体の、キャリア支援やスキルアップの機会などはあるのでしょうか?

沢登 「社員はみんな、学生時代よりも入社してからの方が勉強していると言っています。社内でも外部でも多くのセミナーが開催され、勉強する機会にとても恵まれているとも言えますね」

会社に入ってからのほうが勉強が大変と感じている社員も多数いるそうです。

日々進化していく最先端の技術についての勉強はもちろん、世界情勢を意識したグローバルな視点を持てるように広域の勉強をすることが仕事にも直結するので、なかなか気が抜けません。常に時代の先端を意識し、まだ誰も作っていない新しいことをするにはアンテナを張り続け、日々の勉強を欠かさないのが大切なんですね。

新しいことに取り組むと同時に、より高性能な製品開発を追求していきたい

―― グローバルな視点で、今後チャレンジしていきたいことについて教えてもらえますか?

髙久 「今後はエネルギー関係への応用などができたらと思います。あと、世間の流行に当社の光ファイバー事業が何らかの形で関わることが出来たら面白いんじゃないかとも。より高性能・高解像・高精細な製品づくりを極めたい。様々なガラスの材料をもっているので、不可能ではないと考えています」

次世代を担う若い人たちには、時代や世界の流れを読みとってまだ誰も作っていない面白いもの・高性能なものを作ってほしい。常に新しいものを生み出そうとする社風なので、未来を担う若い人達と共に、まだだれもやっていない新しいことや面白いことをしたいと語る二人。

30年、40年先はいまの若い人たちの時代になる。言われたことだけでなく、自分たちで考え、自主性・主体性を持って製品開発に携わっていってほしい。常に新しいもの、面白いもの、未来を見据えた住田光学ガラスらしい筋の通った言葉に心を動かされました。

中国人の方に人気の、マスコットキャラクター「ナゼ太郎」君がエントランスでお出迎え

あなたも"世界初"にチャレンジしてみませんか?

沢登さん、髙久さん、貴重なお話をありがとうございました。

光ファイバーの世界市場規模は拡大を続け、2022年には日本円で約5,000憶円まで伸びるのではないかと言われています。株式会社住田光学ガラスならではの光学ガラス光ファイバー事業の今後から目が離せませんね。まだ誰もやったことのない“世界初”を生み出すのは、あなたかもしれません。

著者:大城望(verb)