福岡マゼラン(株)(旧:宮崎カーフェリー(株))特別清算開始決定

 福岡マゼラン(株)(旧:宮崎カーフェリー(株)、TSR企業コード:902007815、法人番号:7350001004438、宮崎市港3-14、登記上:福岡市中央区天神1-6-8、設立平成16年4月、資本金1000万円、代表清算人:黒木政典氏)と、関連の福岡セラーン(株)(旧:宮崎船舶(株)、TSR企業コード:902003720、法人番号:8350002008008、同所、登記上:同所、設立平成15年8月、資本金300万円、代表清算人:同氏)は8月15日、福岡地裁より特別清算開始決定を受けた。
 負債は、福岡マゼランが15億7633万円、福岡セラーンが73億5640万円、2社合計89億3273万円(平成29年3月期決算時点)だが、会社分割を実施しており、変動している可能性がある。

 福岡マゼランは、平成17年12月に特別清算開始決定を受けた(株)マリンエキスプレス(TSR企業コード:292531206、宮崎市)から、同社が運航していた4航路のうち、宮崎~日向~貝塚(貝塚航路)、宮崎~大阪南港(大阪航路)の2航路の営業権を譲受し、宮崎カーフェリー(株)の商号で設立したフェリー会社。当初は2航路の運航で、平成18年3月期の売上高は60億5150万円を計上していた。
 しかし、貝塚航路は宮崎県と関西圏を結ぶ輸送ルートとして首都圏への農産物、工業製品輸送への活用が期待されていたものの、採算ラインに達しなかったため、19年3月期中に撤退。以降は大阪航路のみの運航となり、26年10月からは神戸港へ航路を変更していた。27年3月期以降は燃料価格の低下により採算は好転したが、傭船代の返済原資を確保するまでには至らなかったほか、新船建造に対する資金手当のめどが立たなくなっていた。このため、当社は30年2月28日開催の株主総会の決議により解散し3月1日、現商号に変更していた。
 福岡セラーンは、マリンエキスプレスが所有していたカーフェリーなどの資産を承継。船舶2隻を保有し、旧:宮崎カーフェリーにリースしていたが、同様の措置となった。
 なお、宮崎カーフェリー(株)(TSR企業コード:024761613、法人番号:1350001014707、宮崎市)が3月1日、地域経済化支援機構などからの出資を得て、2社の事業を継承し、営業を継続している。

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