神奈川県も障害者雇用で水増し算定、県教委は132人

 障害者雇用の水増し問題で、県は28日、2017年度の障害者雇用率ついて、知事部局で12人、教育委員会で132人の計144人を水増ししていたと発表した。障害者雇用率は水増し分を差し引くと、知事部局は3・22%から3・06%、県教委は2・28%から1・66%となり、特に県教委は当時の法定雇用率2・20%を大幅に下回っていた。厚生労働省のガイドラインを順守しない対応は、制度開始当初の06年度から続いていたとみられる。

 黒岩祐治知事は同日の定例会見で「(障害者雇用の)旗振り役の立場でありながら厳密に適用されていなかったのは恥ずかしい。県民の皆さんにおわびしたい」と謝罪した。

 県によると、17年6月1日時点で国に報告した対象となる障害者の人数は、知事部局が185人、県教委が409人。このうち、障害者手帳で確認できなかった知事部局12人、県教委132人について医師による有効な診断書で確かめず、本人にも確認しないまま、身体の状況などから算入していた。

 黒岩知事は「ガイドラインに関する認識が不足し、厳密に適用していなかった」と釈明。その上で「意図的に改ざんしたわけではないと認識している。知事部局は法定雇用率(当時2・30%)を上回っていることからも明らか」と故意の水増しを否定した。法定雇用率を大きく下回った県教委については「ガイドラインをしっかり守り、障害者雇用を積極的に進めてほしい」とし、具体的な対応については「教育委員会の判断」と述べるにとどめた。

 県は経緯は改めて確認し、国の再調査の動向を踏まえて再発防止策を講じる。

神奈川県庁

© 株式会社神奈川新聞社