【1歳長女虐待】 頭に大けが、意識不明 磯子署が母逮捕

 1歳6カ月の長女を暴行して頭に大けがを負わせたとして、磯子署は28日、傷害の疑いで、中国籍で横浜市磯子区丸山1丁目、無職の母親(24)を逮捕した。長女は意識不明の重体が続いている。

 逮捕容疑は、6月19日午後11時半ごろ、自宅マンションで長女の頭部に暴行を加え、急性硬膜下血腫などのけがを負わせた、としている。

 署によると、同容疑者は「しつけの一環で手や足をたたくことはあったが、頭は1回もたたいていない。大けがをさせたこともない」と供述、容疑を否認している。署は長女の頭部に人為的に強い衝撃が加えられたとみている。

 署によると、事件当時は同容疑者と長男(4)、長女の3人が在宅。同容疑者から「長女の意識がない」との連絡を受けた中国籍の夫(28)が帰宅後、110番通報した。同容疑者は当初、「長女は背もたれのない椅子に座ってミルクを飲んでいたが、音がして振り返ると椅子の横に倒れていて意識がなかった。自分は台所で洗い物をしていた」などと説明したが、搬送先の病院から「虐待の可能性がある」と児童相談所に連絡があり、署が捜査していた。署によると、長女の体に虐待が疑われる複数の傷やあざがあったという。

 同容疑者は7月下旬に体調不良を理由に中国に帰国。8月28日午後に、中国から成田空港に帰ってきたところを逮捕した。長男は児童相談所で保護されているという。

◆「平手でたたく」近隣の女性目撃

 容疑者と同じマンションに住む70代の女性は今春、マンション前で同容疑者が長女の両手を持って振り回すようなしぐさをしているのを目撃したという。「(赤ちゃんの)顔が引きつっていて心配になった。道端に座り込んだ赤ちゃんの頭を母親が平手でたたくのも見た」と話し、「こんなことになるなら警察や児童相談所に通報すればよかった」と声を落とした。

 30代の女性は「5月ごろに母親が子ども2人と一緒にいる姿を見たが、仲の良い家族という印象だった」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社