ルノーF1、「1周0.3秒速いがリスクのある」新型“Cスペック”エンジンの提供をスタート。リカルドが使用の見込み

 ルノーF1のエンジンテクニカルディレクター、レミ・タファンが、今週末のF1イタリアGPでルノーのパワーユニットユーザーは新型“Cスペック”エンジンを使用することが可能であると語った。ドライバーによってパワーユニット使用状況が異なるため、新スペックの導入時期についてはチームがそれぞれ決定するということだ。

 Cスペックエンジンはパワー面で大幅な向上が図られており、モンツァでは1ラップあたり0.3秒のゲインが期待できるとタファンは語った。一方で、信頼性の面で不安があるとも認めている。

「Cスペックは現在使用しているBスペックエンジンの進化型である」とタファンは説明する。

「今までよりも圧倒的にパワフルだ。反対に、現行型ほど信頼性が高くない可能性がある。従って、(新仕様を導入するかどうかは)チームごとに判断する」

「使用する燃料にもよるが、モンツァのようなサーキットでの予選の場合、1ラップあたり約0.3秒のゲインになる。つまりかなりの向上といえる」

 ルノーのパワーユニットユーザーのうち、F1イタリアGPで新型パワーユニットを導入するのが確実なのは、現時点ではレッドブル・レーシングだけであると、タファンは述べている。

「(スペックCの導入プランは)シーズン残り8戦の戦略と目標によって、各チームが決めることだ。レッドブル・レーシングはモンツァのフリープラクティスからCスペックを使う。選手権ランキングにおいて、後方を気にする必要がないので(注:ベルギーGP終了時点で、3位レッドブルは238点、4位ルノーは82点)、パフォーマンスを優先することができるのだ」

「一方、我々とマクラーレンは、新スペックは使わない見込みだ。今シーズンの目標を達成する上で、信頼性と一貫性が重要になるからだ」

■レッドブルのリカルドはイタリアGPでパワーユニット交換へ

 レッドブルはイタリアGPでダニエル・リカルドのパワーユニットを交換する予定であり、Cスペックエンジンが投入される見込みであると言われている。

「(パワーユニット交換のため、モンツァで)エンジンペナルティを受けることになりそうだ」とリカルドは認めた。

「ただ、いずれにしても、モンツァはパワーサーキットだから、過去数年、僕らはあまり力を発揮できずにいる」

「(後方スタートになることで)決勝ではたくさんのアクションを楽しめるだろう。モンツァでは自分のなかでも最高のオーバーテイクを成功させたことがある。今週末も攻めていくよ」

「去年は16番グリッドから4位でフィニッシュした。同じことを目指すから、退屈なレースにはならないだろうね」

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