【MLB】移籍1年目不振→2年目以降大活躍の例も 今季絶望のダルを米コラムニストが擁護

カブス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

レスター、ワースなどは初年度不振でも、全体で見れば大型契約成功

 右肘のストレス反応と右上腕三頭筋の挫傷と診断され、今季中の復帰が絶望となったカブスのダルビッシュ有投手。移籍1年目を不本意な形で棒に振ることとなりそうな右腕について、米テレビ局「CBSスポーツ」のMLB担当コラムニストであるマット・スナイダー氏がコラムを掲載し「大型契約を1年目で判断すべきではない」として長い目で見る必要性を強調した。

 6年1億2600万ドル(約141億4600万円)の大型契約をカブスと結んだダルビッシュだが、今季は8試合で1勝3敗、防御率4.95の成績で終えることが決定的となった。地元ファン、メディアの中からはダルビッシュとの大型契約を批判する声も出ているが、スナイダー氏は何人かの大物選手の契約と成績を例に、初年度の結果がそのまま大型契約の成否を決めるものではないとの見解を示している。

 契約初年度に成績を残せなかったが、その終了時には成功だと評価できる例として、同氏は以下のようなケースを挙げている。

〇ジョン・レスター投手(カブス) 6年1億5500万ドル(約173憶6000万円)
 契約初年度の2015年は11勝12敗、防御率3.34と大型契約に沿うほどの成績は残せなかったが、2016年に19勝5敗、防御率2.44。サイ・ヤング賞投票で2位に入り、ポストシーズンではカブスの1908年以来のワールドシリーズ優勝に貢献した。

〇ジェイソン・ワース外野手(元ナショナルズ) 7年1億2600万ドル(約141億4600万円)
 フィリーズからナショナルズへ移籍した2011年シーズン、前年の.296、27本塁打、85打点から、.232、20本塁打、58打点と大きく数字を下げ、リーグ平均から見た打者の得点力を示す数値「OPS+」も97と、平均値の100を下回った。しかし、その後持ち直し、契約7年間での「OPS+」は113となり、チームは4回ポストシーズンに進出。今季、ナショナルズはポストシーズン進出が厳しい状況にあるが、ベーカー監督がワースの退団を不振の理由のひとつとして語るほど、存在感は絶大だった。

大型契約初年度に大活躍しても、その後成績が下降線をたどった例も

 その逆のパターンも多く存在する。スナイダー氏は、プリンス・フィルダー内野手(タイガース→レンジャーズ)やジャコビー・エルズベリー外野手(レッドソックス→ヤンキース)、ミゲル・カブレラ内野手(タイガースと2016年に8年2億4000万ドル=約268憶8000万円で契約延長)、A・J・バーネット投手(ブルージェイズ→ヤンキース)などの名前を挙げ、大型契約初年は大活躍したが、その後は成績が下降した例としている。

 もちろん、ダルビッシュが2019年以降、どれほどの活躍を見せるかは分からない。スナイダー記者も「ダルビッシュが失敗に終わることも間違いなくあり得るし、その一方で、例えばレッドソックスがJ・D・マルティネスと結んだ契約が、このまま素晴らしいものであり続ける可能性もある。ただ我々は、例えば多くの人がジェイソン・ワースを評価したように、1年目の結果に過剰に反応するべきではない。物事は変わるし、長期契約にはそうした時間がたくさんある」と、現状だけでダルビッシュに評価を下すのは早計だとしている。(Full-Count編集部)

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