鎌倉市庁舎移転で市民と意見交換 市長は必要性強調

 神奈川県鎌倉市の計画する市役所本庁舎の移転をテーマに、市長と市民が意見を交わす集会が29日、開かれた。松尾崇市長は市有地の深沢地域整備事業用地(同市寺分)に移す方針に理解を求めた。

 鎌倉商工会議所地下ホール(同市御成町)で開かれた集会は、移転の是非を問う住民投票の実施を目指す市民団体が主催し、市民約150人が参加した。

 市長は、現庁舎が老朽化し、県の津波想定浸水範囲内に立っていることから「災害時に機能しないと復旧・復興に大きく影響する」と移転の必要性を強調。一方で、県が1月に示した洪水浸水想定区域図で同用地が浸水地域に含まれたが、市長は「川と3メートルほど高低差があり、土地のかさ上げもする計画。すっぽり水没することはない」と述べた。

 参加者から同用地への交通手段を問われた市長は「バス会社と協議し、利便ルートを考えていく」と回答。現庁舎跡地の活用について「活発な市民活動の拠点を整備したい」とした。

 「深沢ありきで進めないでほしい」との意見も出され、市長は「『深沢移転』を掲げ、昨年(10月の)市長選を戦った。民意の重さを感じており、責任を果たしたい」と答えた。

市役所本庁舎の移転をテーマに開かれた対話集会=鎌倉市御成町

© 株式会社神奈川新聞社