[Reviews]Vol.23 カメラも性能も大きく進化!MAVIC 2 PRO & ZOOM 新製品発表会で飛行体験!

国内でもMAVIC 2 PRO & ZOOM お披露目!

初代MAVIC PROの登場より2年、ついにMAVIC PROがフルリニューアルして再登場。日本時間8月23日(木)23時〜ニューヨークで行われた新製品発表会の様子はすでに編集部からお伝えしている。

またLIVEを見て興奮したユーザーも多いはず。そして日本でも29日(水)木更津無人航空機試験飛行場にてメディア向け体験会が開催、その使用感をいち早くレポートする。

グレードアップされたカメラ機能

新製品発表会はまずはDJI JAPAN 中村 佳晴氏によるプレゼンテーション。HASSELBLADとDJIの共同開発による1インチカメラを搭載した「MAVIC 2 PRO」と2倍光学ズームレンズを搭載した「MAVIC 2 ZOOM」の2つの機種の特徴について説明があった。

おさらいまでにMAVIC 2 シリーズの主な特徴は下記の通り。

1)MAVIC 2 PRO

HASSELBLADと共同開発の1インチセンサー搭載カメラ 2000万画素のイメージセンサー搭載(MAVIC PRO比4倍サイズ) F値2.8〜11まで設定可能 10bit D-log-Mに対応し10億色以上の豊富な映像情報を記録可能 10bit HDR動画を記録

2)MAVIC 2 ZOOM

コンシューマー機で初めての光学ズームレンズ搭載(24mm〜48mm) デジタルズーム併用で最大4倍のズームが可能(1080pのみ) 1/2.3インチセンサー 最大1200万画素 望遠ズームを使って9枚の写真を1枚の写真に即時合成(4800万画素)

この中でも特にMAVIC 2 ZOOMでは、後退しながら被写体をズームする「ドリーズーム」が可能になるなど、以前ではオペレーターが数人がかりでやっていた高度な撮影方法を簡単に再現することが可能になっている。また、両機体共通の主な特徴は下記の通り。

H.265コーデックに対応 拡張HDR撮影写真(通常、露出の異なる3枚の写真を合成するが6枚の写真を合成することで白飛びや影の潰れがない高画質な写真撮影が可能) ハイパーラプス対応(長い時間、等間隔で移動しながら写真を取り続けて動画合成する特殊撮影方法) ハイパーラプスは4種(自由に操縦する「フリー」、中心点を回る「サークル」、設定した直線を移動する「コースロック」、設定した高度とGPS座標を元に移動する「ウェイポイント」) アクティブトラック2.0により追尾している被写体が物陰に隠れても軌道予測で追い続ける 空気抵抗19%低減 向上した静音性 最大速度72Km/h、最大飛行時間31分 OcuSync2.0(耐干渉性)通信システムにより最大通信距離5km(DJI製品で過去最長) 内蔵8GBメモリ搭載 全方向障害物検知 APAS(エーパス、前方/後方への障害物回避機能)搭載 底部LEDランプ搭載で夜間や薄暗い場所でのフライトをサポート

背面はビジョンポジショニングシステムに赤外線センサーが配置され、中央に底面LEDランプを備える

背面に1対のビジュアルセンサー、左右にもビジュアルセンサー各一つ、そして上面に赤外線センサーを備えることで全方向の障害物検知をカバーした

機体は全方向障害物検知センサー及びAPAS搭載により衝突リスクを最小限に留めている。また、OcuSync2.0による耐干渉性通信は非常に心強い。MAVIC AIRもいい機体なのだが、どうしても拡張Wifiの弱い電波でストレスを感じることがある。OcuSync2.0を搭載したMAVIC 2シリーズならそのような問題は皆無だろう。

ほか、個人的にはハイパーラプスはぜひとも試したい機能だったが、今回は時間の関係上試すことはできなかったので後日レポートしたい。

機体保障サービス「DJI CARE REFRESH」を開始

年間で最大2回まで機体本体の交換や衝突や水没による修理、専門スタッフによるアフターサポートを受けられるサービスだ。加入料17,000円で1回目の交換は15,000円、2回目の交換は18,000円で新品の機体と交換できるという保障サービスとなっている。今までも動産保険で機体修理代金を保障する保険はあったが、その場合だと修理見積もりや実際の修理などで2〜3週間はかかってしまっていた。

「DJI CARE REFRESH」ならば機体をすぐに交換という形で対応するため、ブランク期間が最小限で済むというメリットがある。現在はMAVIC 2シリーズのみの対応だが、今後PhantomシリーズやINSPIREシリーズ等ほかの機種にも対応していく予定だ。

ついにフライト体験!さらに進んだ静音性と軽い操作性は驚き

短い時間ではあったが、実際にMAVIC 2 ZOOM を操縦・撮影してみた。まず離陸しての感想は「静か」。MAVIC PRO PLATINUM も静かだと感じたが、今回のMAVIC 2 はさらに静かだ。30mも離れてしまえば、ほとんどプロペラ音を確認することはできない。これは周囲に威圧感を与えてしまいがちな今までのドローンとは一線を画すレベル。

また、動きが非常に軽い。Pモードでのスピードが向上しているようだ。操作の始めはSモードになっているのではないかと勘違いしてしまったくらいだった。加速もとてもスムーズで、Phantomシリーズに近い動きをする。止まるときはPhantom4 PRO Ver.2のように少し過剰に当て舵(ブレーキ)がかかる。それによって確実に機体の勢いを殺しているようだ。そして機体が軽量なせいか、Phantomシリーズよりキビキビと動き、低速からスピードの乗った飛行まで操縦しやすい機体だと感じた。

体験フライト時に"鷺"が飛来!これはZOOMを試すしかない

■DJI MAVIC 2 ZOOM ズーム機能を使って鷺を捉えてみた

体験フライト時になんと会場の樹木に真っ白な鷺が飛来!これはチャンスとZOOM機能を試してみた。48mmの表示までは光学ズーム、49mm〜96mmがデジタルズームとなる。映像を見てもらえればわかるが、光学からデジタルへのズームの切り替わりはほとんどわからない。とても自然なズームで鷺を捉えることができた。

■DJI MAVIC 2 ZOOM のアクティブトラック2.0テスト

24mm〜48mmは光学ズーム、49mm〜96mmはデジタルズーム。変わり目はわからないほどスムーズ

そして、鷺を使って話題の「ドリーズーム」も!

機体を交代させながらズームすることで被写体のピントを外さずに背景の画角が動きます

遮蔽物に隠れても追い続けるしつこいアクティブトラック2.0

遮蔽物の奥に被写体が隠れても動きを予測して追尾し続けている

次にアクティブトラック2.0による自動追尾にチャレンジ。被写体の女性に遮蔽物の裏側に入ってもらったが、アクティブトラック2.0は見事に動きを予測して追い続けた。旧MAVIC PROでは、遮蔽物に被写体が入った時点でアクティブトラックの設定が外れてしまうのだが、その弱点も克服されていた。

総括

機能的にはPhantom4 PROを食ってしまいそうなくらい高性能なMAVIC 2 PROと望遠機能で新しい空撮体験を与えるMAVIC 2 ZOOM。どちらを購入するかとても悩ましく、自分の用途を見つめ直して購入選択をする必要があるだろう。また、海外では交換用の別売りカメラもリリースされるとのことで、日本国内でもその発売が待ち遠しいところだ。次回は、今回の体験会で試せなかったMAVIC 2 PROを中心に詳しくレビュー記事をお送りする予定だ。

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