温室ガス削減の世界首長誓約 五島市長 九州初署名

 五島市の野口市太郎市長は今月、自治体レベルで国以上の温室効果ガス削減などを目指す「世界首長誓約/日本」に署名した。欧州連合(EU)から始まった世界的な取り組みの日本版で、署名は九州の自治体で初めて。今後、市が策定する行動計画には、崎山沖で進む洋上風力発電事業の推進なども盛り込む考えだ。署名は1日付。市再生可能エネルギー推進室は「数値目標や計画を早急に作り、他の自治体に先駆けて対策に取り組みたい」としている。
 「世界首長誓約/日本」は、世界の約7700自治体が加盟する「世界気候エネルギー首長誓約」の傘下で、今月、名古屋大に事務局が設置された。国内ではこれまでに大津市や北海道ニセコ町など、五島市を含め5自治体が加盟している。
 署名自治体は、日本政府が設定する2030年の温室効果ガス排出削減目標(13年比26%減)を上回る削減を目指すことや、持続可能なエネルギーの推進などを誓約。2年以内に目標数値や具体的な行動計画を策定し、定期的に進捗(しんちょく)状況を報告することが求められている。
 五島市は4大プロジェクトの一つに「再生可能エネルギーの島づくり」を掲げており、市内では浮体式洋上風力発電や大規模潮流発電(久賀島沖)などの大型事業が進む。

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