勝てぬロアッソ、J3降格圏 危機感持ちハードワークを

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26日の栃木戦で選手に指示を出す熊本の渋谷洋樹監督=えがお健康スタジアム(小野宏明)
13戦勝ち星なしとなった8月11日の横浜FC戦。後半7分、横浜FCに3点目を決められ、肩を落とす熊本の選手たち=えがお健康スタジアム(高見伸)

 13戦勝ちなし-。ロアッソ熊本は5月27日の千葉戦から8月11日の横浜FC戦までチーム史上最長の不名誉な記録が伸び続けた。19日の岐阜戦で勝利し一息付いたものの、26日の栃木戦で敗れ、22チーム中下位2チームが当たるJ3降格圏の21位に再び後退。渋谷洋樹監督は「負け続け、プレー一つ一つに自信をなくしていた。全員で前を向き、はい上がるしかない」と指揮に苦慮する。

 未勝利の3カ月間、陣形や選手起用で試行錯誤した。当初は最前線にFW1人を置く1トップだったが、5月27日(第16節)から7月7日(第22節)の徳島戦まで1試合の平均得点は0・4。失点は1・6を数えた。

 そこで指揮官は7月16日(第23節)の町田戦を機に、シーズン序盤の好調を支えた2トップへ戻し、平均得点は1・5とアップ。だが、失点も2・1に増え、先制しても逆転される敗戦が目立った。

 守備固めにウイングバックの黒木晃平をDFに充てたほか、控え選手も積極起用した。それでも好転しなかった。守備の意識の統一が徹底されず、球際への激しさも足りなかった。

 攻撃はボールを奪った後の切り替えが遅く、後方でパスを回すのか、前線へ配球するのか、ピッチ上での迷いも見られた。戦術を考えすぎて動きが鈍くなっていた面は否めない。

 久々の勝ち点3を得た19日の岐阜戦は一転した。前線からの厳しい寄せと、相手守備陣の背後を狙った鋭い動きだしで、敵陣でのプレーを増やせた。指揮官は「全員がミスを恐れずにボールを前に出すことができた」。ただ、その勝利もつかの間だった。7日後の栃木戦は単調な縦パスでの攻撃に終始し、シュートはわずか3本のみ。覇気もなかった。

 今季は日程の3分の2余りを消化し、残り12試合。危機的状況から脱出できるのか。「もがき苦しんだ時期を絶対に無駄にしない。選手全員でハードワークし、声を掛け合いたい。まだまだ上に行ける」と渋谷監督。昨季は過去最低の21位で降格圏に終わったものの、J3の上位クラブがJ2ライセンスを持たなかったために降格を免れた。1年前の屈辱と危機感をチーム全員で共有し、前に進むエネルギーに変えるしかない。(樋口琢郎)

(2018年8月30日付 熊本日日新聞朝刊掲載)