金属行人(8月30日付)

 サッカー・Jリーグでタイ人選手が活躍している。特にコンサドーレ札幌に所属するチャナティップ選手はリーグ戦20試合で6ゴールを記録。札幌の攻撃陣をけん引する顕著な活躍を見せている。これにはタイ・サッカーのレベルアップも背景にあるだろうが、Jリーグの海外戦略もその理由の一つになりそう。提携国選手は外国籍選手とみなされない。ヴィッセル神戸は先日の試合で6人の外国籍選手を同時に起用した。これまで海外選手は欧州・南米、そしてアジアは韓国からが大半だったが、いまリーグの国際色は少しずつ変わり始めている。Jリーグは来シーズンからの外国選手枠の撤廃・縮小を検討しているという▼鉄鋼業界においても、今年はベトナムやインドネシア、さらにインドからまとまった数量の線材が入着した。輸入市場はいまも韓台中からがほぼ全量で、これはほんのわずかな変化でしかない。まだまだ東南アジアメーカーが日本市場に参入するのは難しいし、それだけの生産余力もないだろう▼しかし、東南アジア鉄鋼業はサッカーと同じように着実に成長している。いま開催中のアジア大会でベトナムU23に日本U21は敗れた。東南アジアのサッカーは進化している。情熱もある。鉄鋼業と同じように。

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