篠原昭二・九看大教授に聞く 夏ばて消化器“脾”大切に 腹八分目、冷やし過ぎ避けて

 例年にない猛暑となった今年の夏。蒸し暑さや冷房で体調を崩し、いまも引きずっている人も多いのでは。九州看護福祉大看護福祉学部教授の篠原昭二さん(鍼灸[しんきゅう]学博士)に、東洋医学(漢方)に基づく「夏ばて」の解消法を聞いた。

 東洋医学では人体の内臓や機能を「五臓」(肝、心、脾[ひ]、肺、腎)に分け、それぞれの不調が他の臓器や精神に影響すると考える。篠原教授によると、夏ばてを解消するには消化器全体を示す「脾」が重要だ。

 「脾は食物の消化、吸収だけでなく、栄養を脳に運び、意識をはっきりさせる機能なども含みます。脾の機能が低下すると、食欲低下や消化不良、下痢などのほか、くよくよ考え込む『抑うつ状態』に陥ったり、集中力が低下したりします」と篠原教授。

 脾は「乾燥を好み、湿気を嫌う」とされ、高温多湿な環境や、水分の取り過ぎでも機能低下に陥る。「冷たい食べ物や刺し身、すし、夏野菜の取りすぎに加え、コーヒーやヤシの実ジュースなどは体を冷やす作用で体内の水分が滞り、脾の機能が低下します。甘い物も食べ過ぎも機能低下につながります」

 脾の機能低下を示す自覚症状は(1)食事をする時に涎[よだれ](唾液)が出ない(2)食欲が出ない(3)食後に胃もたれやしゃっくり、軟便、下痢が出る-など。

 脾を守る方法は「腹八分目」を保ち、「体の冷やし過ぎ」を避けること。熱中症を予防する上でエアコンは必要だが、肌寒さを感じたら設定温度を少し上げておく。体の水分代謝を良くするため、ウオーキングなどの軽い運動で汗を流すことも大切だ。カレーなど香辛料の効いた食事も発汗を促進するという。

 「精神的なストレスも脾の機能低下につながる」と篠原教授。「バランスの取れた食事と適度な運動、休息。健康を維持する上で当たり前のことが脾の機能を守り、夏バテの体を回復させる上でも大切です」と話している。(伴哲司)

(2018年8月31日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

©株式会社熊本日日新聞社

紙面を彩った火の国球児たち

「夏の甲子園100回」を記念し、熊本出身のスターたちの〝球児〟時代を取り上げます。 第3弾は「打撃の神様」と呼ばれた川上哲治(熊本工出、人吉市出身)です。

ご購入はこちらから