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連載
熊本城のいま

【熊本城のいま】城内警備、愛着持って続ける

©株式会社熊本日日新聞社

警備を担当している坂井恵太さん。「お城が着実に復旧していく姿を見て、元気づけられる人がいるとうれしい」と話す=熊本市中央区の熊本城

 「久しぶりに揺れましたね。ただ城内では地震の被害は特にありませんでした」。県内で7月25日以来となる震度4を観測した今月22日から一夜明け、熊本市の熊本城総合事務所の職員はホッとした声で答えた。熊本地方気象台によると、熊本城がある熊本市中央区は震度3だった。

 現在立ち入りが規制されている熊本城内には警備会社の警備員が常駐し、24時間体制で警備している。地震があった22日夕方は、総合事務所が西出丸にある警備室へ連絡し、城内の異常を確認させた。地震にとどまらず、異常を発見した場合はいつでも、警備員は総合事務所へ連絡する仕組みになっている。

 熊本城内は2016年4月の熊本地震前から24時間体制で警備されてきた。本震発生時にも城内には3人の警備員がいて、坂井恵太さん(33)はその一人だった。当時の警備室があった数寄屋丸1階で、電話当番をしていた。

 「あの時の様子をなんと言ったらいいのか…。ガガガガッという音がして、放心状態になった」と坂井さん。数寄屋丸の警報音が鳴り響く中、外へ飛び出すと、そこは「視界ゼロ」だったという。闇夜のせいではない。「最初火事かと思った。後で考えたら、建物の瓦が落ちて土煙がまん延していたんです」

 それから夜が明けるまで、坂井さんは城内を見回った。普段の通路は石垣の崩落石で埋まり、石によじ登ったり降りたりして先へ進んだ。地震が起こる1年ほど前から熊本城の警備担当となった坂井さんは、いつも目にしていた熊本城の被害のありさまに心が傷んだ。

 いま来場者がいない城内を、悲しみを持って警備にあたる坂井さん。「熊本生まれ、熊本育ちの私にとって熊本城は慣れ親しんだシンボル。仕事場となったお城にずっと寄り添って、いまは愛着しかありません」と日焼けした笑顔を見せる。「着実に復旧していく姿を見て元気づけられる人がいるとうれしい。だれかの大切な時間と場所を安全に守る警備の仕事はやりがいがある。これからも油断せずにお城を守りたい」(飛松佐和子)

(2018年8月31日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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