体操女子の宮川紗江選手(18)が日本協会の塚原千恵子女子強化本部長や塚原光男副会長からパワハラを受けたと訴えている問題で、元五輪代表の田中理恵さん(31)や鶴見虹子さん(25)がツイッターなどSNSで「協力します」「応援したい」と発信していることが注目されている。(構成 共同通信=柴田友明)
▽「心配で仕方がない」
田中さんは2012年ロンドン五輪代表で20年東京五輪・パラリンピック組織委員会理事を務めている。「いろんな形での助け方があります。私もさえのためにも、選手たちのためにも、協力します。心配で仕方がない」と8月30日にツィート。
鶴見さんは08年北京五輪、12年ロンドン五輪代表で「元朝日生命で元日本代表として、全力で宮川さえちゃんを応援したいです。皆さんも応援してあげて下さい」と同日投稿した。
田中さんには31日夕までに、1200件を超えるリツィートがあった。「日本の若手選手のためにもお願いします」「コメント素晴らしい」などと賛同する声が多かった。また、鶴見さんには3000件超のリツィートがあり、「鶴見さんの応援、ものすごく心強いと思います」「さえちゃんを支えてあげて下さい」など、書き込みがあった。中には、知っていることをすべて証言して下さいという問い合わせの声もあった。
▽反論と謝罪
塚原夫妻は8月31日、宮川選手の訴えに対する見解を文書で発表。「宮川選手を脅すための発言はしていません」と反論する一方で、一部に不適切な言動や落ち度があったことは認め「心を深く傷つけてしまったことを本当に申し訳なく思っております」と謝罪した。
日本体操協会は、外部の弁護士らによる第三者委員会を設置して調査することを決定。二木英徳会長は「お騒がせし、申し訳ない」と30日に語った。協会として、10月25日にドーハで開幕する世界選手権までに調査の完了を目指している。
具志堅副会長は宮川選手の訴えに「18歳の少女がうそをつくとは思えない」と印象を口にし「この際、全部のうみを出して新しく出発しないと東京五輪はあり得ない」と他の選手に対してもパワハラがなかったかどうかも含めて全容解明が必要との認識を示している。
鈴木俊一五輪相は31日の記者会見で「こういうことで選手の芽がつぶれるとか、五輪への道が閉ざされることがないようになってほしい」と述べ、宮川選手の活動に影響が出ないよう求めている。