熱中症対策で19校授業短縮 始業式の場所を変更も

 厳しい残暑の中、長崎県内多くの公立小中学校などで9月3日、新学期が始まる。長崎新聞社が各市町教委に取材したところ、少なくとも長崎、佐世保、平戸各市の計19校で、熱中症対策として授業を午前中で切り上げたり、下校時刻を早めたりする。暑さはしばらく続くとみられ、各学校は気温を考慮しながらの対応を迫られそうだ。

 全国的な猛暑を踏まえ、文部科学省は8月、児童・生徒の健康を最優先し、必要に応じて夏休みの延長や臨時休業日の設定などを検討するよう、都道府県教委に通知していた。

 長崎地方気象台によると、気温は県内3地点で8月の観測史上最高を記録。一方、県内公立小中学校のエアコン設置率(昨年4月1日時点)は8・6%と全国平均(49・6%)を大きく下回っている。長崎市内の小学校では1学期、室温が33度に達した日もあったという。

 熱中症予防の取り組みは各校が判断し、実施。長崎市内の小学校5校は4日から最長4日間、午前中授業にする。中学校2校も最長4日、6時間授業を5時間に短縮して日中の暑さを避ける。佐世保市の小学校11校、平戸市の小学校1校もそれぞれ下校時刻を早める。「子どもたちの体力面の負担軽減などを考慮した」(平戸市内の小学校)という。

 このほか、始業式の場所を体育館からエアコンがある教室へ変更したり、エアコンを設置した教室で放送を聞くようにする学校もある。長崎県内21市町で夏休みを延長する公立小中学校はない。

 夏休み明けは運動会の練習も本格化。運動会を予定する新上五島町内の小中計7校は、午前中の早い時間帯に実施したり、1時間だけに短縮する方針。東彼波佐見町立中央小は「運動場での練習は気温などの状況を見ながら対応する」としている。

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