被爆者試料どう活用 放影研 初の外部諮問会合

 原爆の放射線が被爆者にもたらす影響を調査する放射線影響研究所(放影研)は31日、長崎市坂本1丁目の長崎大医学部良順会館で「保存試料の利用に関する外部諮問委員会」(片峰茂委員長、8人)の第1回会合を開いた。

 会合は非公開。放影研側が貴重な試料を最適に保存し活用する必要性や、最新の生命科学の成果を利用するため国内外の機関との共同研究することの重要性などについて説明した。

 学識者や被爆者などで構成する委員からは「これまでの研究成果は被爆者らに還元されているのか」「試料が無制限に拡散し、軍事利用目的も含めた研究に使われるリスクをどう制限するのか」の2点について意見が相次いだという。

 放影研は、被爆者らから提供を受けた72万本分の血清や50万本分の白血球などを保存している。試料活用のための方針策定のため、今年1月に外部諮問委員会の設立を決めた。広島では5月に第1回会合を開いている。

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