長崎県内の危険なブロック塀 2学期前に応急対策完了 全国最低25%から挽回

 長崎県教委は31日、大阪府北部地震で小学校のブロック塀が倒壊し女児が死亡した事故に関し、塀の安全性に問題があることが確認された長崎県内の公立の幼稚園、小中高校計275校全てで、注意を促す立て看板や張り紙の設置、塀の撤去などの応急対策が100%完了したことを明らかにした。

 7月下旬時点の応急対策率は25・1%にとどまり全国最低だったが、「子どもたちが登校する2学期までには絶対に対応しないといけない」(長崎県教委)との姿勢で市町に促し、急ピッチで進めた。本格的な安全対策については、9月定例議会以降、事業費を計上した補正予算案などを提出する市町が増える見通し。

 長崎県教委教育環境整備課によると、長崎県内の公立の幼稚園や小中高校計606校のうち、363校にブロック塀があり、その中で275校でひび割れや、2・2メートルの高さ制限の超過、補強用の「控え壁」がないなど安全性の問題が確認されていた。

 当初は「いたずらに不安をあおりたくない」として、看板や張り紙の設置などに慎重な市町教委もあったが、長崎県教委は対策を強く要請。塀に不用意に近づかず、地震発生時には離れるよう呼び掛ける看板や張り紙設置のほか、塀を撤去した自治体もあるという。

補強する「控え壁」がなく、近づかないよう表示された小学校のブロック塀=長崎市内

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