ラッセラー!「熊本復興ねぶた」練り歩く

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熊本城をバックに、二の丸広場を練り歩く「復興ねぶた」の山車=1日午後7時30分すぎ、熊本市中央区(上杉勇太)
3回目の披露となる復興ねぶたを前に、「熊本に元気を届けたい」と語る外崎玄さん=熊本市中央区(上杉勇太)

 「青森ねぶた祭」の山車が熊本市の熊本城二の丸広場を練り歩く「熊本復興ねぶた」が1日夜、披露された。今年で3回目。過去最多、大小4台の山車と囃子[はやし]やハネトと呼ばれる踊り手ら約50人が現地から駆け付けた。小雨を吹き飛ばすような「ラッセラー」の掛け声で、熊本地震の被災地にエールを送った。(木村恭士)

絆のねぶた躍動 発起人の外崎さん「心の復興をサポート」

 小雨が降る空に浮かび上がるねぶたを、青森市の会社経営、外崎[とのさき]玄さん(66)はすがすがしい表情で見つめた。「熊本復興ねぶた」発起人として準備に奔走し、熊本地震後の2016年9月から3年連続で披露を実現させた。「躍動するねぶたで熊本を元気づけたい」と思いを込める。

 1日夜、熊本市中央区の熊本城二の丸広場で披露されたのは、今年の青森ねぶた祭に参加した「堀川夜襲」(幅9メートル、奥行き7メートル、高さ5・5メートル)。小型の「子どもねぶた」3台も練り歩き、会場からは歓声が上がった。

 外崎さんは熊本地震発生時、家族が暮らす熊本市で被災した。避難所などでボランティア活動にあたり、「復興に向けて歩む熊本の力になりたい」と、仲間と復興ねぶたを計画。初お目見えした本場のねぶたは熊本の人々を喜ばせ、約2万人が詰め掛けた。

 ねぶたの輸送費やスタッフ50人の旅費などは、約2千万円がかかる。会場でグッズを売り、寄付金も募るが、毎回500万円以上の赤字という。それでも被災者からの感謝の言葉を原動力に、披露を続けてきた。

 今回も、本番を前に組み立て作業にあたる外崎さんらに、通り掛かった人が「頑張ってください」と声を掛ける。「楽しみにしてます」と缶コーヒーを手渡す人もいる。昨年に続いて引き手を務める鎮西高2年の渡邊将貴さんは「輝きと迫力に元気をもらえる。多くの人に見てほしい」。

 外崎さんは8月、直腸がんの診断を受けた。「病気には負けられん」と治療を先延ばしし、本番に臨んだ。「今も仮設団地で暮らす人もいる。心の復興をサポートしたい」。絆のねぶたが、熊本を明るく照らした。(木村恭士)

 ※復興ねぶたは2日午後6~8時にも披露予定。

(2018年9月2日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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