LCACで“避難” 佐世保市総合防災訓練 宇久地区 水陸機動団 初参加

 大規模災害を想定した佐世保市総合防災訓練(市主催)が1日、同市大潟町の陸上自衛隊相浦駐屯地を主会場に開かれ、関係機関が負傷者の救護や情報伝達などでの連携を確認した。宇久島では、3月に発足した陸上自衛隊水陸機動団が全国の防災訓練では初めて参加し、水陸両用車を使用した。
 訓練は大規模地震と大雨により、家屋倒壊や急傾斜地と道路の損壊、一部の地域で住民の孤立などが発生している想定。自衛隊や警察、消防、米海軍佐世保基地など計50団体から約1300人が参加した。
 宇久島からの避難訓練では、はじめに偵察用ボートが上陸場所の大浜海水浴場の状況を確認。がれきを除去する水陸両用車に続き、海上自衛隊のエアクッション型揚陸艇(LCAC)が上陸した。悪天候のため輸送ヘリを使った本土への避難は中止し、住民ら19人をLCACに乗せて島から離脱する動きを繰り返し確認した。
 宇久地区自治協議会の阿野房良会長(72)は「LCACは想像以上に大きな音だった。島からの脱出には有効だと思うが、よく知らない乗り物なので不安もある。被害を最小限に抑えられるように、自衛隊などと協力していかなければならない」と話した。

避難訓練を終え、LCACから降りる宇久島の住民=佐世保市、大浜海水浴場

© 株式会社長崎新聞社