インディカー第16戦ポートランド:パワーが4度目のポールで逆転王者へ照準。琢磨はQ1敗退に

 ポートランド・インターナショナル・レースウェイで開催されているインディカー・シリーズ第16戦。1日に行われた予選は、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がキャリア54回目となるポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、Q1で敗退し20番手から決勝レースに挑む。

 前日のプラクティス走行に引き続きセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)が午前中のプラクティス走行でも速さを見せ。しかし、ブルデーはターン10でコースアウトしタイヤバリアに接触。マシンを壊してしまう。

 午後3時25分にふたつのグループに分かれて走行が行われる予選Q1がスタート。

 グループ1、エド・ジョーンズ(チップ・ガナッシ)がトップ通過。チャンピンを争うアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)も2番手で通過する。

 一方、強豪が集まったグループ2では、パワーがトラックレコードとなる57秒2143でトップ通過。ランキングトップのディクソン、マシンを修復したブルデー、逆転王者獲得を狙うジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)も順当に予選Q2へ進出。

 佐藤琢磨やシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は6番手までに入れずQ1で敗退してしまう。

 Q2ではパワーがトップ通過。ロッシも続き、ブルデーが3番手、新人のザック・ビーチ(アンドレッティ・オートスポート)も5番手、ニューガーデンは6番手でポールポジションを争うファストシックスに進出したが、ランキングトップのディクソンが11番手とまさかのQ2敗退に。

 3台が進出したアンドレッティ・オートスポート。ロッシを援護したいところだったが、Q1のタイムには届かなかったがパワーが圧巻のアタックでポールを奪取。2番手には最後のアタックでタイムを更新したニューガーデンが入り、ペンスキーの2台がフロントローを獲得した。

 今シーズン4度目、キャリア54回目のポールポジションを獲得したパワー。歴代ポール獲得回数もマリオ・アンドレッティに次ぐ単独2位となった。

「マリオを捕まえる必要はあるけど、それができるとは思っていないよ。ポールはたくさんあるよ」と笑いながら語るパワー。

 ライバルのディクソンが11番手スタートとなったが、「最後に、僕たちはレースで勝たなければならないんだ」と気を引き締めながら意気込み語っている。

 3番手のロッシはディクソンを警戒。「いつも言っているけど、彼はどこからスタートしてもトップに来ることができるんだ」とコメント。

 Q2で敗退に対しディクソンは、「僕たちはブラックタイヤに苦労していたし、レッドになっても少しフロップしていた。1号車がピットから出てきて、タイヤのベストを使うことができなかった」と語っている。

 午前中のプラクティスでは5番手と好調だった琢磨だったが、Q1敗退で20番手スタートとなった。

「今朝は非常に力強いパッケージでした。昨晩行った変更でクルマも良くなったので、予選に向けてとてもポジティブでした。しかし、予選では気温がかなり違いました。いちばん暑い時間だったし、スピードも大きく変わりました。レースでは最善の努力をするつもりです」と琢磨。

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