登下校の安全、見守り13年 宇土市の80代夫婦

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交差点で子どもたちを交通指導する鶴長フタエさん(手前)と忠雄さん夫妻=宇土市

 熊本県宇土市入地町の鶴長忠雄さん(83)、フタエさん(81)夫妻は「子どもたちの命を守りたい」と13年前から、ボランティアで自宅近くの交差点に立ち、朝夕の交通指導を続けている。2学期の始業日となった8月29日朝も「元気だったね。車に気を付けなんバイ」と子どもたちとの再会を喜んだ。

 鹿児島県出水市出身の2人は、就職を機に熊本に移り結婚。約30年間の熊本市での生活を経て、94年から宇土市で暮らす。

 2005年ごろ、自宅近くの宇土高正門に面した信号の無い交差点を小中高生が行き交い、危険だと知った2人。40年以上前、当時小学2年だった次男・隆博さんを小児がんで亡くした経験から、「子どもを先に亡くす悲しみを味わってほしくない」と交差点に立ち始めた。

 2人は緑色のベストと帽子をかぶり、黄色の旗を手に指導。交差点を渡る小中高生や道行く車にもあいさつし、時には道を尋ねられることも。

 約100人が交差点を利用する宇土小の樅木[もみのき]浩孝校長は「地域の方に見守っていただき本当にありがたい」と感謝する。

 忠雄さんは「子どもたちに元気をもらえる。立っていないと子どもたちに怒られるんです」。フタエさんも「子どもの成長を見守るのも楽しい。夫婦で長く続けたい」と元気にあいさつする子どもたちに目を細めていた。(西國祥太)

(2018年9月2日付 熊本日日新聞朝刊掲載)