【カラー鋼板流通「植松グループホールディングス」発足】〈植松孝康社長に聞く〉時代の変化に対応、高付加価値製品を積極投入

©株式会社鉄鋼新聞社

 静岡地区大手カラー鋼板流通の植松(本社・静岡県沼津市、社長・植松孝康氏)は先月、社名を「植松グループホールディングス」とし、持ち株会社制に移行。会社分割により、カラー鋼板流通の「植松」、金属屋根・外壁加工の「植松製造」、屋根外装工事、個人向け住宅リフォームを手掛ける「植松建興」を事業会社とする体制に再編した。持ち株会社制への移行で、今後どう経営のかじ取りをするのか、植松社長に聞いた。(齊藤 直人)

――持ち株会社に移行する意義は。

植松・植松社長

 「持ち株会社制に移行する前は、販売部門の『植松』と施工部門の『植松建興』と、事業部ごとに会社があったが、加工部門は両社向けに販売する一方で、多くを旧植松の売り上げとして計上していた。当社グループの利益(強み)がどの事業で出ているのか、分かりにくい構造だった。持ち株会社への移行で、販売、加工、施工の事業ごとに会社を発足させることで、グループの利益を明確化させる。また、建材需要を取り巻く需要環境は、今後も大きな変化が予想される。時代の変化に敏感に対応できる体制とした」

――グループの経営目標は。

 「3年後までに当社グループの売上高を現行比20%増の30億円にまで引き上げる。地域で絶対に負けない販売シェアを獲得し続けたい。事業会社の社長は当面は私が就くことになるが、早い段階で新たなリーダーにバトンを引き継ぎ、各事業会社の社長が柔軟に経営する体制を整えたい」

――売り上げ目標達成の具体策は。

 「地域密着型の営業スタンスは、変えない。カラー鋼板を販売する『植松』では、人手不足、施工性に寄与できる、付加価値の高い自社製品を今後も投入し続ける。また、我々が有している設備を駆使し、製品のOEM供給を開始するなど事業領域を広げる。そのために、加工部門の『植松製造』も含め、グループ3社にかかわる営業部門を新設した。また、戸建てリフォームへの需要が伸長している。個人向けの住宅リフォーム営業は、ショールームに来られたお客様にアプローチすることになるが、待ちの姿勢ではなく、積極的に営業展開をしたい。『植松建興』では、不動産業者とタイアップし、中古住宅のリノベーションを手掛けることも視野に入れている」

――15年に本格参入した個人向けリフォーム事業の足元の状況は。

 「需要は堅調に推移している。当社に併設するショールームをリニューアルして以降、引き合いが絶えない。需要に対して、施工能力が追い付いておらず、需要を確実に補足できるよう、工事部門の人員を増強したいと考えている」

――人手不足対策は。

 「さまざまな目標達成のためには、人材育成がキーポイントとなる。今期初めて、インターンシップを実施した。当社の良さを学生、若手に知って頂ける機会を設けた。また、内定は5年間有効とする制度も導入するなど『攻めの人材確保』に動き始めた。加工現場では多能工化を進めるなど、生産性を向上させる」

――今期(2019年7月期)で創業70年目を迎える。

 「これまで、地場に重心をおきながら営業を継続できたのは、先達、従業員、顧客、地域のおかげ。感謝している。過去の当社の沿革では、関連会社が15社あった。再編、再編で今の体制となった。先達も時代の変化に合わせた経営をやってきた。先達が残してくれた、当社の強みに集中して、新たな歴史を現在の社員と共に築いていく」