フジクラ、品質管理で不適切事案

電線・部品など66社に出荷

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 フジクラは先月31日、電線・ケーブルや部品の一部製品に関し不適切事案があったと発表した。

 試験・検査書類に実測値と異なる数値を記入したほか、一部品質検査を省略するなどしていた。対象製品は送配電用・産業用の電線や通信ケーブルなど73品種で、JISマーク表示品も含む。

 1987年以降66社以上に出荷されたが、現在までに安全上の問題は確認されていない。

 同日都内で会見した伊藤雅彦社長は「顧客はじめ関係各所に迷惑・心配をおかけしたことを深くお詫びしたい。本事案の事実確認と原因究明を外部の弁護士に依頼し、現在関係者の聴取などが進んでいる」と話した。

 昨年10月の社内点検で電線・ケーブルを中心とする、エネルギー・情報通信カンパニーなどの部門で10件の不適切事案を把握。今年に入り新たな事案が報告されグループ全体で再点検した結果、現在までに合計70件の不適切事案が判明した。事案にはJISマーク表記製品の認証維持審査における品質管理体制に関する不備が4件含まれていることが確認されている。

 不適切事案の内容は一部検査項目の未実施・頻度不足が31件、仕様書・品質管理工程図との齟齬が12件、試験・検査書類に実際と異なる記載が17件、製造方法変更の事前申請漏れが10件となっている。最初のケースは87年だが、ほとんどが2000年以降に集中している。

 関係したのは10拠点。フジクラ本体の4拠点と子会社6社となっている。不適切品の出荷先は現在66社だが、汎用的に使用される製品7品種については現在確認中で出荷先は増える可能性もある。汎用品の販路は把握できており現在は顧客に説明している段階。9月中旬をめどに説明を完了させる。

 現在外部の弁護士による調査が進められており、今後は事実認定や原因分析に加え、再発防止のための品質管理ガイドラインを策定する。納入済みの製品は回収・交換や修理などの対応をしている。伊藤社長は「ほとんどの不適切事案は当社の祖業である電線で起きた。長年培ってきたモノづくり力への過信や人材の流動化が進んでいなかったことも原因かもしれない」と話した。