路線バスの旅、利用急増 安く気軽に…県内で人気

阿蘇山西駅に到着した観光客ら。外国人を含め、「路線バスの旅」の参加者が増えている=8月26日、阿蘇市
九州産交ツーリズムがインバウンド向けに用意した中国語のチラシ(手前)

 路線バスを主な移動手段として観光地を巡る九州産交ツーリズム(熊本市)の日帰り旅行商品「路線バスの旅」が、国内外の観光客らの人気を集めている。比較的安価で、気軽にゆっくり観光できる点などが受け、4月時点で月100人ほどだった利用者が、8月は6倍に伸びた。

 もともとは5年ほど前に県民向けに企画した観光商品。インバウンド(訪日外国人)の個人旅行者やリピーターの増加を受け、4月に「ロバの旅」と銘打ち、中国語と英語のチラシを作ってPRを強化したところ人気に火が付いた。

 「香港や中国、台湾、韓国などアジア各地からの申し込みが増えている」と同社。利用した観光客が会員制交流サイト(SNS)で発信した情報が拡散し、新たな利用者を呼び込んでいるという。

 前日まで予約可能で1人でも申し込める手軽さから、出張で来熊したビジネスマンや首都圏からの観光客など国内客の申し込みも増加中だ。

 阿蘇の火口見学や天草のイルカウオッチングなど県内観光のほか、宮崎県の高千穂峡観光など約50種類のプランがあり、バス乗車券と現地の施設利用料込みで2千円台~1万円台。

 香港から個人旅行で熊本を訪れた何嘉慧[ホウカワイ]さん(47)は夫、娘と3人で阿蘇火口見学プランを利用。熊本市から特急バスで阿蘇駅まで移動し、その後、路線バスの阿蘇火口線に乗り換えて火口近くの阿蘇山西駅まで来たという。

 インターネットで同商品を知り、前日は高千穂峡観光プランを満喫したといい、「車の免許を持っていないので、ちゃんと目的地に着くバスは便利。良い旅行になった」。

 九州への旅行は初めてという東京の女性は小学3年の息子と同プランを利用。「JRの一部区間が不通と聞いて、あきらめかけていたが、おかげで感動の景色を見ることができた」と喜んでいた。

 ラグビーワールドカップ(W杯)など国際スポーツ大会が県内で開かれる来年は、インバウンドのさらなる増加が見込まれており「多様化する観光ニーズを取り込みたい」と同社。「若者のアイデアを採り入れるなどして、欧米人向けのプランも充実させたい」としている。(山本文子)

(2018年9月3日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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