熱中症で作業員死亡、書類送検 横浜西労基署、今夏全国初

 熱中症対策を怠って建設作業員を死亡させたとして、横浜西労働基準監督署は3日、労働安全衛生法違反の疑いで、神奈川県大和市の建設業「ヤマトエンジニアリング」と同社の男性社長(61)を書類送検した。猛暑日が続いた今夏、熱中症の死亡事故による書類送検は全国で初めて。

 書類送検容疑は7月14日、横浜市瀬谷区の個人宅のベランダ改修工事を実施する際、男性作業員2人に対し、高温時に義務付けられている塩分提供を怠った、としている。2人のうち58歳の男性は病院に救急搬送され、熱中症による多臓器不全で2日後の16日に死亡した。

 同労基署によると、作業当日の横浜市の最高気温は35・8度、湿度は56%だった。2人は午前8時半から作業を始め、死亡した男性は午後0時半ごろに倒れて搬送された。現場ではペットボトル入りの水を用意して休憩を取るなどしていたが、屋外の炎天下で服装の通気性も悪かったという。

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