「為替」関連倒産(8月度速報値)

 2018年8月の外国為替市場での円相場は、1ドル=111円台でスタートしたが、米国のトランプ大統領が米国連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ路線を批判したことで、21日の東京外国為替市場では約2カ月ぶりに一時1ドル=109円台後半の円高水準を付けた。その後の円相場は、月末にかけて1ドル=111円台付近で推移した。
 こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、8月の「円安」関連倒産は速報値で3件(前年同月ゼロ)、「円高」関連倒産は過去の円高時のデリバティブ取引の失敗が影響した1件(同ゼロ)だった。
 また、8月の外国為替市況は、通貨暴落による「トルコショック」に揺さぶられた。トルコリラは、10日に対ドルで2割急落した。リスク回避傾向の加速により世界中の株価指数や新興国通貨が軒並み下落した。このように先行きに不安定要因を抱えていることから、引き続き今後の為替の変動には注意が必要だ。

円安関連倒産月次推移
円高関連倒産月次推移

© 株式会社東京商工リサーチ