西・東日本で記録的高温 7月に豪雨災害 夏の天候まとめ

夏の天候のまとめ(出典:気象庁)

 気象庁は3日、この夏(6~8月までの3か月間)の天候のまとめを発表した。暖かい空気に覆われやすかったため、全国的に平均気温はかなり高くなった。

全国のアメダスで観測された猛暑日の積算

 夏の平均気温は東日本で+1.7℃と 1946年の統計開始以降で最も高く、全国の気象官署153地点のうち48地点で、高い方から1位の値を記録した(タイ12地点を含む)。全国のアメダス地点で観測された猛暑日地点数の積算は6479地点で、9月上旬にかけて記録的な高温が続いた2010年の5014地点を超えた。

 北日本日本海側は梅雨前線や秋雨前線の影響で、西日本太平洋側、沖縄・奄美は台風や梅雨前線の影響で記録的な大雨の日があり、夏の降水量はかなり多かった。沖縄・奄美の夏の降水量は、1946年の統計開始以降で最も多くなった。 また、この夏に発生した台風は18個で、1951年の統計開始以降では1994年と並び、1位タイの多さになった。

6月 全国的に高温 北海道は多雨

 太平洋高気圧の勢力が強く、上旬に日本の東海上で移動性高気圧の勢力が強まりやすかった時期もあり、月平均気温は全国的に高かった。北海道で降水量がかなり多くなった一方、東日本太平洋側では日照時間がかなり多かった。関東甲信の梅雨明けは6月29日ごろで、1951年の統計開始以降、最も早かった。

7月 「平成30年7月豪雨」 熊谷41.1℃

平成30年7月豪雨の総降水量(出典:気象庁)

 6月終わりから7月8日頃かけては、梅雨前線や台風7号の影響で多量の水蒸気が長時間にわたって流れ込んだため、全国的に大雨となり、西日本を中心に土砂災害や河川の氾濫など甚大な被害が生じて200人以上の死者が出た(平成30年7月豪雨)。その後、東・西日本は太平洋高気圧に覆われて記録的な高温となり、23日には熊谷(埼玉県)で日最高気温が41.1℃となり歴代全国1位を更新した。

8月 台風連続発生記録 北陸で40℃超

 台風が9個発生し、ひと月の発生数としては1994年8月以来24年ぶりの多さとなった。特に、12~16日は1951年の統計開始以来、初めて5日間連続で台風が発生した。

 月の前半は東海地方で日最高気温が40℃を上回る地点もあり、美濃(岐阜県)では40℃以上の日が3日間に及んだほか、7月28日から8月11日まで15日間連続で猛暑日を記録した。23日は、台風20号が縦断した西日本を中心に大雨や暴風に見舞われた所があったほか、日本海側ではフェーン現象により気温が顕著に上昇し、中条(新潟県)で日最高気温が40.8℃に達するなど、北陸地方で統計史上初めて40℃以上を記録した。

© 株式会社ウェザーマップ