中山鋼業、鉄スクラップ予熱設備が竣工 製鋼電力量、大幅削減へ

 電炉鉄筋メーカーの中山鋼業(本社・大阪市、社長・井手迫利文氏)は2日、7月から46日間電炉休止して設置工事してきた電炉省エネ・スクラップ予熱設備「エコアークライト」(スチールプランテック製)が竣工、操業を再開した。

 同設備は、電気炉から発生する排ガスを熱源として鉄スクラップを予熱して電気炉に投入するシステムで、製鋼電力量を20~25%削減できる。

 約35億円を投資して、昨年末の事前工事、7月17日~9月1日までの本工事を実施してきた。

 中鋼では同設備の導入と今後の安定操業化で、製鋼など上工程のコスト削減効果を順次高め、国内の電炉鉄筋メーカーとしてトップ級のコスト競争力を保持していく計画。

 同日朝、井手迫社長ら同社の従業員・労働組合、株主の高島秀一郎共英製鋼会長、明賀孝仁合同製鉄社長、施工した設備を設計施工したスチールプランテックの灘信之社長らが出席して竣工式が行われた。

 挨拶した井手迫中鋼社長は「今回、計画通り竣工できたのはスチールプランテックおよび山九、日立造船、東芝プラントシステムや株主の合同製鉄、共英製鋼など多くの方のおかげ。2014年からの省エネ投資の総仕上げとして上工程の操業コスト削減を図った。本日火入れしたが、早期に安定化を図り、効果を上げていきたい」と強調した。

 灘スチールプランテック社長も「エコアークライトは、お客様のニーズと設備環境に合わせてカスタマイズ設計した初号機。今後、効果を最大限引き出していくために中鋼とともに課題に挑戦していく」と述べた。

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