ルインスキさん激怒させた質問 インタビュー拒否し演壇降りる

By 太田清

クリントン元米大統領(右)とモニカ・ルインスキさん(ゲッティ=共同)

 かつて全米を揺るがせたクリントン元大統領の不倫事件で、元大統領の不倫相手だった元ホワイトハウス実習生モニカ・ルインスキさん(45)が訪問先のエルサレムでの公開インタビューで、不倫問題に関する質問が出たことに反発、インタビューを打ち切り、制止を振り切って演壇を降りる騒ぎがあった。イスラエル紙エルサレム・ポスト(電子版)などが伝えた。 

 ルインスキさんはこれまでも不倫問題で心に深い傷を負ったと訴えており、インタビュー前での打ち合わせで不倫問題には触れない約束があったと主張している。 

 ルインスキさんは現在、SNSなどを通じて誹謗中傷を行う「ネットいじめ」反対運動に積極的に関わっており3日、エルサレムでの会合に参加し「ネットいじめ」に関して講演。その後のインタビューで、イスラエルの記者からいきなり「クリントン氏から個人的な謝罪を期待していますか」との質問を受けた。クリントン氏は今年6月、米テレビとのインタビューで、ルインスキさんへの謝罪について「既に公に何度も謝罪している」として、直接会って個人的に謝ることを拒否していた。 

 ルインスキさんは「ごめんなさい。こんなこと(質問に答えること)はできません」と答えて立ち上がり、演壇を降りて立ち去った。後にツイッターで「前日に(不倫問題について)触れないでと言っていたにもかかわらず、厚かましくも約束を無視して」質問を受けたことから、インタビューを打ち切ったと明らかにした。 

 ユダヤ系の家庭に育ったルインスキさんは講演で、不倫事件発覚後、ユダヤ教コミュニティーを含むすべてのコミュニティーから拒絶され、孤立し苦しみ、「自殺したい」と思ったこともあったと告白。その上で、当時もネットの世界で誹謗中傷を受け、苦しんだ経験が「ネットいじめ」反対運動に関わるきっかけになったと述べた。クリントン氏との関係については触れなかった。 (共同通信=太田清)

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