新日鉄住金エンジ、タイでエネルギー供給事業 ホンダ子会社の工場向け

 新日鉄住金エンジニアリング(社長・藤原真一氏)は4日、タイでコージェネレーションシステム(熱電供給設備)によるオンサイトエネルギーの供給を開始したと発表した。タイ・ホンダ・マニュファクチャリングのラッカバン工場向けエネルギー供給プロジェクトで、タイで同社が手掛けるのは4件目。

 本件は、大阪ガスと共同出資する現地法人、NS―OGエナジーソリューションズ(NSET)が15年に受注。フィンランドのバルチラ社のガスエンジンによる発電後の排熱から蒸気・温水の双方を回収。冷温水として供給する高効率コージェネレーションシステムを導入することで15年間にわたり電気と熱を供給し、工場内の省エネ化を図る。今回のシステムで年間5万2千GJ(ギガジュール)の省エネが図れるという。

 設備は発電出力7800キロワット、温水供給能力2千キロワット、冷水供給能力4900キロワット、蒸気供給能力は毎時4トン。NSETが設備建設からオペレーション、ガス調達までを行うエネルギー・ワンストップサービスを提供するビジネスモデルとなっている。系統電圧が低下した際には速やかに自立運転に移行し、コージェネが非常用電源として単独でのエネルギー供給を継続できるため、系統事故時における操業安定化を実現する。

 想定CO2削減量は年間7千トン。本プロジェクトは二国間クレジット制度(JCM)に基づきクレジットの獲得を目指す「環境省15年度JCM設備補助事業」に採択されており、今年8月に環境省の確定検査を完了した。JCMの活用により15年間で約10万トンのCO2を削減し、日本のCO2削減目標の達成に寄与する。

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