「核兵器二度と使われぬよう」ギリー氏 活動呼び掛け 「国連ピースデー」提唱者

 長崎で被爆した英国人捕虜の孫で、国連が定める「ピースデー」(9月21日)を提唱したジェレミー・ギリー氏(49)が4日、長崎市役所で田上富久市長と面会し、「核兵器がもう二度と使われないよう一緒に平和を広げよう」と呼び掛けた。
 ピースデーは停戦と非暴力の日として、2001年に国連総会で採択された。初来日したギリー氏は長崎について市長に「いつも心の中にあった」と伝え、「平和は政治的な問題でなく全ての人々が参加するべきだ」と話した。
 その後、長崎原爆資料館で講演。「日本人は平和を深く理解し、心を込めて活動している」と述べ、ピースデーを21日に定めた理由について「戦後、祖父の友人で英国に帰り家族に再会できた人の数」と紹介した。
 質疑応答で、若者が平和活動を広める方法を問われ、「ピースデーを活動に巻き込む大きな機会と捉え、活動をしている人同士でつながることが大切だ」と強調した。核兵器廃絶の実現については「可能であると思いたい」とし、若い世代に平和を意識付けるよう呼び掛けた。
 講演は福岡市の映画配給会社が主催。ギリー氏が撮影したピースデーに関する映画も上映された。

講演するジェレミー・ギリー氏=長崎市平野町、長崎原爆資料館

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