新たな寄付ツールでユーチューバーが資金調達者に

米YouTubeは8月30日(現地時間)、ファンドレイジング(資金調達)のための新機能「YouTube Giving」(ユーチューブ・ギビング)を発表した。動画に寄付ボタンを設置したり、複数のユーチューバーらが共同で寄付を募れたりするなど、視聴者が寄付しやすい仕組みを構築した。北米のユーチューバーや非営利団体を対象にベータ版の提供を開始した。(吉田広子)

ユーチューブ・ギビングには、4つの機能がある。まず「ファンドレイザー(ベータ版)」では、動画とライブストリーム画面に、「DONATE(寄付)」ボタンを埋め込むことができ、視聴者はそのボタンを押すだけで寄付できる。寄付の手続きはYouTubeが行い、手数料もYouTubeが負担する。

「コミュニティー・ファンドレイザー(ベータ版)」では、複数のユーチューバーが共同の募金キャンペーンを行うことができる。複数のユーチューバーの動画に、同じ募金活動を同時に表示させ、総額が反映されるようになっている。

例えば、米国の小児がん啓発月間である9月には、米セント・ジュード小児研究病院と12人のゲームクリエーターが、3700万人の登録者とともに、YouTube上で「セント・ジュード・プレイ・ライブ」を開催する予定だ。

「キャンペーン・マッチング(ベータ版)」は、集まった金額にユーチューバーが同額を上乗せして寄付するマッチング寄付の仕組み。「スーパー・チャット・フォー・グッド」は、ユーチューバーに「投げ銭」できる「スーパー・チャット」機能を改良したもので、ユーチューバー本人ではなく、指定した非営利団体に寄付できる。

YouTubeは公式ブログで「数カ月にわたり、ベータ版に関するフィードバックを受け入れ、より多くのクリエイターに広げていく。これらの機能がどのように活用されるのか待ち遠しい」とコメントしている。

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