屋根剥離や倒木、停電…胆振に台風21号の爪痕

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 非常に強い台風21号が4日夜から5日未明にかけて、北海道に接近し通過した影響で、胆振地方では5日、厚真で2008年(平成20年)の観測開始以来最大となる最大瞬間風速34・3メートルを記録した。強風により国道453号が複数の倒木で通行止めとなっているほか複数の道道、市道でも倒木の撤去作業が続いている。倒木や電柱の倒壊による停電、屋根の剥離など強風被害が発生し、被害調査が行われている。室蘭市内6カ所の避難所では最大で計50世帯77人が自主避難したが午前8時に閉鎖された。これまでに、けが人の報告はない。

室蘭で最大瞬間風速33・9メートル

 室蘭地方気象台によると、各地の最大瞬間風速は、白老32メートル、むかわ穂別26・2メートルで、それぞれ08年の観測開始以来最大を記録、伊達35・1メートル、鵡川26・6メートル、伊達大滝24・6メートル、白老森野22・1メートル、登別20メートルで、それぞれ観測開始以来9月の最大記録を更新した。室蘭33・9メートル、苫小牧32・6メートル。

 各地の降り始めからの総雨量(48時間)は、登別カルルス141ミリ、白老森野134・5ミリ、伊達大滝133ミリ、登別38ミリ、室蘭25ミリ。

 JR北海道によると、設備点検のため、室蘭線は特急スーパー北斗1号~11号、特急北斗91号、特急すずらん1~6号など特急列車18本、快速・普通列車46本が全区間運休。東室蘭―室蘭間も運休が続いている。

 室蘭市災害対策本部によると、午前9時現在、市内では、屋根剥離などの被害16件、物置・工作物などへの被害5件、倒木1件、市道倒木17路線、街路灯破損1件の報告があった。

 市都市建設部土木課管理係によると、倒木により市道測量山通線(観光道路)の一部を通行止めにし撤去作業を行っており、昼すぎにも開通する見込み。

 川崎近海汽船によると、宮蘭フェリーはきょう5日室蘭午後8時発6日午前6時宮古着の便から運行を再開する。

 室蘭開発建設部によると、午前10時半現在、国道37号白鳥大橋など2路線で通行止めが解除となったが、国道453号伊達市大滝区優徳町―壮瞥町上久保内(8・6キロ)が倒木により引き続き通行止め。

 室蘭建設管理部によると、同10時半現在、道道新富神里線など3路線で通行止めが解除となったが、道道洞爺湖登別線の一部など7路線で引き続き通行止めが続いている。(本社報道部)

   

 登別市消防本部によると、4日未明から早朝にかけて「自宅のトタン屋根が剥がれた」「物置が倒壊した」などと17件の通報が相次いだ。幌別町のJR幌別駅構内では、強風で駐輪場の屋根が剥がれた。

 市総務部企画調整グループによると、市が開設した3カ所の自主避難所は、最大で市民ら28人が利用したが、5日午前7時20分に閉鎖。

 4日午後8時から通行止めが続いている市道カルルス路線に加え、登別温泉中央通りが倒木により、5日午前7時から通行止め。5日午前10時半現在、いずれも解除のめどは立っていない。(中部支社)

壮瞥の仲洞爺地区は一時孤立

 胆振西部では、倒木や屋根の剥離、停電が相次いだ。伊達署、、西胆振消防、伊達市と洞爺湖、豊浦、壮瞥3町によるとけが人は出ていない。

 洞爺湖の東湖畔では、倒れた樹木が道道をふさいで壮瞥町の仲洞爺地区などが一時、孤立したが5日朝までに順次解消した。伊達市大滝区愛地町では、釣り堀につながる道路と橋脚の一部が流された。

 伊達市弄月町では、飛ばされたアパートの屋根が駐車していた複数の車に当たった。近所に住む59歳女性は「バリバリというものすごい音がした。子どもが多い地域なので昼間でなくて良かった」と話した。

 伊達市内を流れる長流川は上流の大滝区優徳町にある観測所で氾濫危険水位を超え、午前5時ごろには河口に近い上長和町の観測所でも危険水位を超えたため、市は長和、館山下、館山町の計約600世帯に避難準備情報を出したが水位が低下したため解除し、災害対策本部を解散した。

 1市3町がそれぞれ開設した避難所には、最大で計約100人が避難したが、警報の解除で順次閉鎖され、全員帰宅した。

 農作物は、スイートコーンや菜豆類などに倒伏の被害が見られ、農協などが今後、実態調査を進める。(西部支社)

   

 苫小牧市によると、5日午前8時現在、人的被害は出ていないが屋根や壁、ブルーシートが飛ばされたとの通報が55件、樽前や錦岡などを中心に市内全域で128本の倒木が確認されたという。同市は4日夕から情報連絡体制を取り、職員が泊まり込みで関係機関との連絡や市民からの問い合わせに追われた。(東部支社)

   

 白老町内では停電や屋根の剥離、電柱の破損、倒木などの被害が出た。

 町によると、町内の約800戸が停電、午前10時現在約670戸が復旧していない。虎杖浜の水産会社では屋根が飛んで海岸沿いの道路に一時はみ出た。電柱が折れたり、傾いたのは竹浦2件、虎杖浜1件、萩野1件。(白老支局)

【写真=(上から順に)強風の影響で剥がれたアパートの屋根がぶつかった駐車場の車両=5日午前7時、伊達市弄月町(車のナンバーは消しています)、倒木で電線が垂れ下がり高さのある車両が通行できなくなった道道=5日午前7時9分、壮瞥町東湖畔】