新幹線トンネル建設現場を視察 暴排協議会

 2022年度に暫定開業予定の九州新幹線長崎ルートについて県内工区を担当する建設業者らでつくる暴力団等排除対策協議会のメンバーが5日、長崎市内で総会を開き、新長崎トンネル(全長7460メートル)の建設現場を視察した。
 建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構九州新幹線建設局(福岡市)によると、長崎ルートは武雄温泉-長崎間の総延長67キロ。県内延長は49キロで、工事の認可を受けた08年以降、県内全ての工区が着工。これまでは暴力団の介入はなかった、としている。
 長崎市現川町の新長崎トンネルの建設現場で総会があり、業者のほか警察や行政、弁護士会などから約20人が参加。同局の岡田良平次長が「完成に向けてトラブルがないよう工事を進めたい。県警と連携して暴力団の介入を防ぎたい」などとあいさつ。
 顧問の県警組織犯罪対策課の宮原哲朗課長は、暴力団の活動は潜在化、巧妙化しているとして「こういった長期の事業にも介入して利益をむさぼる可能性がある。近くにも暴力団がいると認識して警戒してほしい」などと述べた。
 その後、参加者はレールを引くための工事をしているトンネルに入って内部を見学。同局職員からスケジュールや工法などの説明を受けた。

新長崎トンネルを視察する暴力団等排除対策協議会のメンバー=長崎市現川町

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