雲仙・仁田峠 「プレミアムナイト夏」好調 県外からの参加増加 ネット発信奏功

 8月に開催された夜の仁田峠(雲仙市小浜町)を楽しむツアー「雲仙仁田峠プレミアムナイト 夏の部」が好評のうちに終了した。ツアーバスの乗車率はほぼ満席の97%を記録。関係者は「3年目を迎えて知名度が上がってきた。県外からの参加者も増え、宿泊にもつながった」と分析している。

 ツアーは、夜間入場が規制されている仁田峠を限定開放するイベント。JTBや雲仙温泉街の住民らでつくる実行委が2016年度から始めた。雲仙温泉街からバスで仁田峠に行き、同峠からロープウエーで標高約1300メートルの妙見岳駅展望台に登って星空や夜景を楽しむ。夏の部と秋の部に加え、今年から春の部(5月)も開催した。
 夏の部の参加者は、16年度の約320人(4日間)から、17年度は約650人(9日間)、本年度は約860人(11日間)と年々増加。県外参加者の割合も、16年度の23・6%から、17年度は38・9%、本年度は44・6%と年々伸びてきている。
 好調の一因には、会員制交流サイト(SNS)の発信強化がある。雲仙温泉観光協会は公式フェイスブックに、その日の天候や空席情報などを連日掲載。夜景や星空の写真も載せて魅力を訴えた。参加者が自身のSNSに写真や感想を投稿したことも奏功。本年度の終盤は座席数の多いバスに変更して対応した。ネット予約は販売数の47・2%と約半数を占めた。
 既に秋の部(10月25日~11月3日)の募集を開始。実行委は「秋は紅葉という新たな魅力も加わる。撮影スポットの設置やガイドのレベルアップを進め、一層の誘客につなげたい」と意気込んでいる。

夜闇の中を走るロープウエー。山あいの向こうには南島原市の夜景が広がる=雲仙市、妙見岳駅展望台
ガイドの説明を聞く参加者。照明が消えると頭上に満天の星が広がった=雲仙市、妙見岳駅展望台

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